2020.09.18

CARS

故障も楽しいというのは本当か? 自動車ジャーナリストの今尾直樹さんの初めてのマイカーは故障することで有名なフランスの素敵なクルマだった! 

1970年秋発表のGSはベーシックの2CV系と高級車のDS系のギャップを埋めるべく開発された小型車の傑作で、大衆車なのに高級車並みの快適性を実現していた。1.2Lフラット4は59ps。理想が高すぎて、とめどなく壊れた(らしい)。今回、も らったGSの写真を探したのですが、見つかりませんでした。クルマに対する愛情が薄いゆえでしょうか、そもそも愛車を撮る習慣がないので、こちらはGSのメーカー写真。

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これまで出会ったクルマの中で、もっとも印象に残っている1台は何か? クルマが私たちの人生にもたらしてくれたものについて考える企画「わが人生のクルマのクルマ」。自動車ジャーナリストの今尾直樹さんが選んだのは、故障することで有名なフランスのあのクルマ。某自動車雑誌で働きはじめて 2年くらいたった ある日。上司のSさんからタダで シトロエンのGSをもらった のがはじまりだった。

私がGSから学んだこと

1985年8月のことだった。SさんからシトロエンGSをもらったのは。Sさんが13万円で手に入れた10年落ち、75年の白い1220クラブで、走行距離は7万km台。右ハンドルの英国仕様で、4速MT、メーターはボビン型ではなくて、イタリアのスーパーカーみたいに銀色の盤面にイエーガーの回転計と速度計が並んでいて、超カッコよかった。1本スポークのステアリングホイールはグリップの内側のゴム部分が一部溶けていて、フカフカのシートの運転席はややヘタっていたけれど、ブルーの内装の生地はどこも破れていなかった。オイル漏れ以外、機関好調で、エンジンがかかると、ハイドロニューマティック・サスペンションにオイルが回り始め、動物のようにムクムクとお尻から持ち上がって、始動するたびに愛おしく思った。



私は某自動車誌の編集部で働き始めて2年目で、上司だったSさんはこの頃、安いシトロエンを買ってきては苦労するのがマイブームだった。で、もともとはそのGS、 「買わないか」と言われていたのですけれど、お断りしていた。そしたら、ある日、Sさんがこう言った。 「あげるよ」 。

タダでもらったGSのために、当時住んでいた北池袋で見つけた一番安い駐車場が確か1万8000円だった。学生のときから住んでいた越路荘の5畳半は家賃1万5000円。GSの寝床のほうが高かった。

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