いま着けたいのは、“物語” のある時計--。その興味深いストーリーを知るほどに魅力は深まるばかり。ここに現代の名品たちを主役にした珠玉の短編集を編んでみた。
モリッツ・グロスマン初の自動巻きムーブメントとして誕生した「ハマティック」は、理論上の不動作角ゼロを実現した常時噛み合い式の自社製自動巻きだ。素晴らしいのはこの革新的な機構を、古典的なハンマーローターのスタイルで実現したこと。しかもローターがユラユラと軽く動くくらいの方が、効率が高いという。職人の手仕事を社是とする同社らしく、仕上げは超一流。手焼きでブラウンバイオレットに仕上げられる針も、驚くばかりの細さと繊細さを持つ。ぜひ一度、実機に触れて欲しい名作だ。
文=鈴木裕之 写真=近藤正一
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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