ドイツ南西部の"黒い森地方"シュランベルグで1861年から続くユンハンスは、発祥以来、ドイツ時計の聖地として名を馳せる東部・グラスヒュッテの重鎮ブランドたちのように超絶的な複雑機構を追求することはなかった。より日常にフィットしやすい、実用性とモダニズムを極めることが本懐だったのだ。
今年発表されたばかりのこのモデルは、ドイツの歴史的な造形・美術学校「バウハウス」に学び、世界的デザイナーとして活躍したマックス・ビルが1961年に同社の依頼でデザインしたモデルの末裔。感覚的、恣意的な装飾や曲線を排し、機能性のみに依拠したフォルムは初代から継承される偉大な財産であり、まさにバウハウス、ひいてはドイツプロダクトの真骨頂とも言えるものだ。
しかしながら、ユンハンスにおいて注目すべき"物語"はデザイン界との密接な関係のみではない。同社は1990年、現在では常識となった電波時計を世界で初めて発表したエレクトロニクス・ウォッチの先駆者でもあるのだ。同モデルは、駆動機構が従来の機械式から最新の電波ソーラーへと進化。研ぎ澄まされた外観と、先端技術の邂逅。交錯する2つの物語が、ドイツ時計の"あるべき姿"のひとつとして結実している。
文=川口哲郎
(ENGINE2020年9・10月合併号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
文=川口哲郎
advertisement
PR | 2025.10.17
CARS
スタイリストの森岡弘さんに聞きました フィアット・ドブロに乗る人っ…
2025.10.10
WATCHES
【188本限定】ルイ・ヴィトン初の腕時計「モントレ」がついに復刻!…
PR | 2025.10.10
CARS
そのデザイン&パフォーマンスに理由あり!「MINIクーパー5ドア」…
2025.10.18
LIFESTYLE
都心のクルマでランチならここ! 広尾のビストロ「d’ici(ディシ…
PR | 2025.10.08
LIFESTYLE
アートを愛でる幸福な週末 海外でも話題のUNDULATIONを…
2025.09.27
LIFESTYLE
HONDA PRELUDE × PRADA スタイリスト・祐真朋樹…
advertisement
2025.10.16
とろけるようにしなやかなのに、飛ばすほどフラットになる乗り味に感動 島下泰久(自動車評論家)が2位に選んだ普段の足にしたいクルマとは
2025.10.15
トップ3はすべて日本車! なかでも1位は意外なあのクルマだ 島崎七生人(自動車評論家)が選んだマイHOT20のランキング
2025.10.14
還暦過ぎのリアルなクルマ選び! ライターの塩澤則浩が1位に選んだ買った後も人生楽しく過ごせるスポーツカーとは?
2025.10.13
次期「レクサスLS」はなんと6輪ホイールのミニバンに【JMS2025で公開!】LSの“S”はサルーンの“S”ではなく、スペースの“S”へ
2025.10.12
GR SPORTグレードで1.8リッター・ハイブリッドが選べるようになった!トヨタC-HR(2026年モデル)欧州でデビュー