ドイツ南西部の"黒い森地方"シュランベルグで1861年から続くユンハンスは、発祥以来、ドイツ時計の聖地として名を馳せる東部・グラスヒュッテの重鎮ブランドたちのように超絶的な複雑機構を追求することはなかった。より日常にフィットしやすい、実用性とモダニズムを極めることが本懐だったのだ。
今年発表されたばかりのこのモデルは、ドイツの歴史的な造形・美術学校「バウハウス」に学び、世界的デザイナーとして活躍したマックス・ビルが1961年に同社の依頼でデザインしたモデルの末裔。感覚的、恣意的な装飾や曲線を排し、機能性のみに依拠したフォルムは初代から継承される偉大な財産であり、まさにバウハウス、ひいてはドイツプロダクトの真骨頂とも言えるものだ。
しかしながら、ユンハンスにおいて注目すべき"物語"はデザイン界との密接な関係のみではない。同社は1990年、現在では常識となった電波時計を世界で初めて発表したエレクトロニクス・ウォッチの先駆者でもあるのだ。同モデルは、駆動機構が従来の機械式から最新の電波ソーラーへと進化。研ぎ澄まされた外観と、先端技術の邂逅。交錯する2つの物語が、ドイツ時計の"あるべき姿"のひとつとして結実している。
文=川口哲郎
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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