2020.08.31

WATCHES

ブライトリング/ライダータブやルーローブレスなど、オリジナル意匠をモダンレトロに再解釈

クロノマットB01 42 ジャパンエディション/アイデンティティともいえるライダータブやオニオン型リュウズ、タキメーターなどの意匠をオリジナルから継承しつつ、現代的に再解釈した2020年新作の目玉。この日本限定バージョンはクロノグラフ針をシルバーとしたモノトーンな表情が特徴で、シックにしてユニークなバタフライクラスプ付ルーローブレスが好相性。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径42㎜、200m防水。税別89万円。

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いま着けたいのは、“物語” のある時計--。その興味深いストーリーを知るほどに魅力は深まるばかり。ここに現代の名品たちを主役にした珠玉の短編集を編んでみた。



イタリア空軍所属のアクロバット飛行チーム、フレッチェ・トリコローリの公式時計に採用された初代クロノマット。3時位置にチームのロゴが配されている。


初代機のデッサン。フライトジャケットに引っかかりにくいラグ形状や、風防を守るためのライダータブの高さなど、パイロットの意見をディテールに具現化した。写真/『TIME OF LEGEND』(2016年12月1日発行)より


BREITLING

1983年にイタリア空軍のフレッチェ・トリコローリと共同開発した初代クロノマ ットは、あえてクオーツ全盛の時代に機械式ムーブメントを搭載した戦略モデルだ った。翌年の市販モデルは機械式復活の起爆剤になるほど、パイロットウォッチ を象徴する存在として人気を博す一方、タキメーターはF1チームの興味を引き、「15」 と「45」を入れ替えるとカウントダウンとして機能するライダータブはレガッタに最適だった。


今年、2009年以来の大型モデルチェンジを果たした新クロノマットは、そんな歴史的な多用途性を引き出し、ついにオールパーパスモデルへと進化。見た目で特徴的なのは、オリジナルを継承するライダータブであり、ルーローブレスレットだ。もちろん、筒状のブレスコマの作りや仕上げは格段に向上しており、剛性感も十分。ストレートに突き出た短いラグもオリジナルの形状に近く、そこからストンとブレスが下に落ちる構造が、装着感のアップに貢献する。


そして搭載されるムーブメントは、約70時間パワーリザーブを誇る自社製キャリバー01。しかも、ダイバーズに匹敵する200m防水。アイコニックな意匠を統合しながら、まったく隙のないマルチな魅力を見せつけている。


文=大野高広 写真=近藤正一
(ENGINE2020年9・10月合併号)

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