ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
快適で疲れの少ない高度なプレミアムカーにも心惹かれるし、BEVなど新しいものにも興味はある。だから多様なモデルを選出することになるかとおもいきや、上位はやはりドライビングが楽しいモデルが占めた。絶対的な速さを求めているわけではないし、必ずしも硬派なスポーツカーである必要はないが、クルマと一体になれる感覚、マツダがいうところの人馬一体感が何よりも好きなのだ。
速さではミドシップ、運転のしやすさではFRという思い込みを吹き飛ばしてくれたのがA110。リアサスペンションをしっかりと作り込むことでアンダー知らずの高い旋回能力とコントロール性を両立させた究極のハンドリングマシンだ。
ハイパフォーマンスカーの試乗はいつも緊張させられるものだが、458は類いまれなドライバビリティで攻める気にさせてくれる。E-Diffの優秀性とテストドライバーの感覚の素晴らしさを実感。NAエンジンの官能性も最高だ。
A110やアルファ4C出現以前、長きに渡ってライトウエイトのミドシップスポーツの世界を提供し続けてくれた。たとえエンジンが凡庸でも楽しめるスポーツカーは作れるのだと教えてくれた存在でもある。モデルチェンジにも期待。
パワーはそれほどないけれど、ライトウエイトとFRの組み合わせは根源的なドライビングファンを教えてくれる。スポーツカーの基本形。
ナローから続く911の世界を色濃く残していたのが997。スポーツカーとしてはコンパクトでRRらしい病みつきになるハンドリングがいい。
ライトウエイトスポーツよりもちょっと重いけれど高度なエンジニアリングによって正確無比なドライビングが堪能できる。エンジンもいい。
ターボ化や大型化で911も変わりつつあることを知らしめた991だが、後期型ではそんな郷愁を吹き飛ばすほどの完成度で驚かされた。
スポーティなセダンの代表格として胸のすくハンドリングとデイリーユースでの快適性が完璧にバランス。都市部でジャストサイズでもある。
ロングドライブでも疲れが少なく、ゆえに安全性へ寄与するという乗用車の王道。ディーゼルハイブリッドや6気筒ディーゼルも魅力。
低重心でヨー慣性モーメントが低いというBEVのメリットを最大限にいかしたハンドリング。今後、エンジン車は運動性能では勝てないはず。
ホンダ・タイプRのようにレーシーでありながら、乗り心地が硬すぎて閉口することもない。ルノー・スポールのシャシー技術の高さを実感。
ジャガーXEやアルファ・ロメオ・ジュリアの出現でダイナミクス性能をとことん追求。快適性をやや犠牲にしながらも振り切ったことに拍手。
オールアルミになる前にXJは古き佳きジャガーサルーンの味わいを色濃く残していた。カチッとしすぎず、それでも走りが楽しいモデル。
GTI is backのかけ声のもとに登場したゴルフVのGTIはいろんな意味で衝撃だった。TSI+DSGで新たなトレンドを巻き起こしたモデル。
フラット4ターボの採用は議論を巻き起こしたが、トータルでは優れたスポーツカーだ。
マツダ・ロードスターからステップアップするにはちょうどよく、他にない貴重なモデル。
決しては速くはないけれど、妙に興奮させられる。作り手がセンスの塊なのだろう。
古き佳き高級なブリティッシュの世界を堪能。重さも乗り味にはいい影響をもたらしていた。
FRのBMW M3などとは違った、強烈なスタビリティやトラクションが快感のモデル。
アルファ・ロメオが久々に放ったFRは想像以上の出来映え。BMWを慌てさせもしたのだ。
文=石井昌道(モータージャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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