いま着けたいのは、“物語” のある時計--。その興味深いストーリーを知るほどに魅力は深まるばかり。ここに現代の名品たちを主役にした珠玉の短編集を編んでみた。
時刻の表示方法は、必ずしも時分針やデジタルでの表示にこだわらなくてもいいのではないか──HYTはこの疑問を抱き、2012年、時間の流れを液体で表示する腕時計「H1」を完成させた。2つのタンクをキャピラリー(ガラス管)の先端に固定し、一方のタンクには着色された液体、もう一方には透明な液体を注入。それぞれのタンクが圧縮または減圧されることで液体がキャピラリー内を動き、時間を示すという画期的な構造だ。
かつて、古代エジプトでは容器に水を移して時間の経過を計る水時計が作られたとされているが、この手法を最先端の技術で実現させたわけだ。以後、HYTはコンスタントに後継モデルを発表していくが、その作風を一変させたのが「スーンナウ」。
液体制御の機構は継承しながら、ダイアルに313本のゴールドピンでスカルをレイアウトした、先進技術と前衛的デザインが融合した1本で、これに続く「スーンナウ インスタント レインボウ」は、ダイアルに668個ものプレシャスストーンを配置した衝撃作。分表示がないため正確な時間を読み取ることはできないのだが、この時計にとっては些末な問題だろう。なぜって、これは時の移ろいを感じながら極上の美を愉しむアートピースなのだから。
文=竹石祐三
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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