ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
編集部から受け取った候補車リストはまさに“ENGINE誌ワールド”。庶民の私などアウェイ感ひしひしではあった。が、試乗経験を前提に20台を選んでいるうち、電動化、自動運転化といったテーマは本当につい最近になり急速に広まった出来事だと再認識する。ずっとクルマのロマンを見させてくれたのがENGINEだと思うが、これからもその姿勢が続けられる世の中であってほしい。
ペシャンコなあれほど奮ったスタイル、コンセプトを世の中に認知させた点で、存在感は大きかったと思う。3ドアのクーペ推しの声も多かったが、あのスタイルでしっかりと実用性も担保した5ドアの万能性も気に入っていた。
日本導入から今年で14年経つ。個人的には“アルファ・ロメオかつジウジアーロのファン”のくせになぜ買わなかったのか後悔している。年月が証明したとおり、唯一無二の個性と味わいを備えた(恐らく)人生を彩るクルマだった。
アルミ・ボディの次世代は、当時初めて東京・虎ノ門界隈で見かけて、自分が乗っていたクルマから“見上げる”車高(とLEDのテールランプ)に驚いた。そのひと世代前のこのモデルこそ、低くエレガントな最後のXJだったと思う。
とともに遂に次世代が公表されたが、2008年に導入された現行モデルは、キッコーマンの醤油瓶のようにもはや日本にも定着したと思う。
911に特段造詣が深い訳ではないが、個人的には、乗って初めて自分の身体に馴染み、ポルシェの説得力を実感したのがこの997だった。
世代的には初代セリカLBあたりから愛車遍歴を始めて、齢を重ね、現在然るべき環境が整った人の非輸入車で受け皿になるクルマ。
車名ロゴは旧字体にして欲しかった。が、こだわり派クルマ好きが同クラスのライバル車と候補に並べて、結局最後に選ぶセダンなのでは?
何しろ乗って、走らせた瞬間からドライバーも同乗の家族も犬も味わえる、神経を一切逆撫でしない心地よさは、まさしくプレミアム。
2代目でクラブマン、コンバーチブル、クロスオーバー、クーペ、ロードスター、ペースマンと提案型商品が連打できたのもR50登場の恩恵。
意外なことに過去のHOT100にたびたびランクインを果たしている。日本車にはないファミリーカーの本質を体現したクルマだからこそ、だ。
変えないために変える……がコンセプトだったという現行型。デザインが……といった各論ではなく、総体としての価値が貴重なクルマ。
“02”の復活という風に言われているとおり、走らせると、物理の法則に従った素直な挙動が掌から伝わる……そんな気持ちよさがいい。
ビート登場から今年でおよそ30年。軽自動車販売ナンバーワンのN-BOXを作る一方で、2座席のこんな遊びグルマを作る心意気を買いたい。
21世紀に間に合わせて初代プリウスが登場したのが19997年。この初代が登場しなければ世界のハイブリッド車の進化はなかった。
手のうち感というべきか。運転技量にかかわらずに溌剌とした走りが楽しめるクルマ。
本当は同世代の“C4”を挙げたいが、C3の14インチタイヤ車のおっとりとした乗り味が極上。17位 ベントレー・コンチネンタルGT(現行型)もちろん庶民の私になど似合うはずもないが、本物の高級車とはこうであると教えられる。
7.5へアップデート前の7は、クリーンでプレーンで洗練された最良のゴルフに思えた。
非GTIがいいが、仏車のような乗り味と、2ドアだが小さめのドアの扱いやすさが光った。
今のような絢爛豪華な姿になる前の、最後のさっぱりとコンパクトな姿カタチのA4だった。
文=島崎七生人(モータージャーナリスト)

(ENGINE2020年9・10月合併号)
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