ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
いまでも運転してみたいクルマを選んだ。もちろん運転の楽しさを味わえることが第一目的だが、ドライバーの意思がクルマに伝わり、正確に反応してくれるクルマがその時代なりにあると思う。クルマのあらゆる性能は上がっているのは間違い。そのパフォーマンスの高さも楽しさにつながるが、正確に操れるという楽しさを大事にしたい。ワイフは操れないけど、クルマは操りたい。
最新の911はピットロードを30km/hで走っていても、ボディ、サスペンション、ステアリング系のリジッド感が桁違いに高く気持ちいい。ハンドルを切る前にクルマの動きが正確に想像できる。それは飛ばして行ってもその延長にある。
E36やE46の時代のBMWはコストを惜しまずにいいクルマを目指して作っていた。そのM3だからさらにいい。そしてM3 CSLはその中でも手作りの一品料理のような仕上がりで、永年乗っていても飽きない。クルマ好きが作った名車だ。
当時1兆3000億円という開発費を投入して作られたXC90だが、その成果はちゃんと出ていて乗ればその品質感の高さに驚く。それがボルボの他のバリエーションにも波及していったことを見ても成功だったことが窺える。
911GT3はいつの時代のモデルでも乗って愉しいが、997型はサーキットに行っても愉しいし、一般道では飛ばさなくても音と振動で愉しめる。
あの見た目でも走りは正確で楽しい。ハイトがあるボディだが、ロールはゆっくりで揺り返しもない。単純なシートだが座り心地は極上だ。
アルピナのディーゼルはお手本にすべきだ。低速トルクが太いだけでなく、パンチがあって、レスポンスが良く、高回転まで気持ち良く回る。
熟成を重ねてここまで来たかというのが最新のボクスターだ。そもそもアスリートの体形を持っていたが、それを使いこなせるようになった。
コンパクトなFRのMモデルとして、貴重な存在になった。コンペティションはグッとしまった脚と強力な心臓で市街地走行でもワクワクする。
軽量ボディのMRで往年のA110を思い出させる。しかし現代のA110は限界付近のトリッキーな動きはなくなり、サーキットでも愉しく乗れる。
ニュルのノルドシュライフェで乗ったら、これがガンガンしっかり走れるので驚いた。壊れず安いとニュルのレンタカー会社にも評判がいい。
軽量化がいかにクルマのパフォーマンスを引き上げる作用があるのか、このモデルになって改めて体感できた。世界に影響力がある日本車だ。
筑波サーキットを走っていると、ノルドシュライフェを走りたくなる衝動に駆られる。もっとハイスピードのもっと難しいカーブを走りたい。
街で見慣れたMやAMGではなく、静かにいいクルマに乗りたい人のためのクルマがジュリアだ。イタリアの弱点をなくしたドイツ風パスタだ。
大人のSUVの原点。並みの、最近出た、そのへんのSUVとは歴史が違う。本当のオフロードも走れるし、高級ホテルのエントランスも似合う。
デビューが早過ぎた、法規上は4人乗れるマイクロコンパクト。実は走りも結構愉しいのだ。
歴史あるランドローバーが作った新しい時代に向けたクーペの挑戦。一目惚れで買えるクルマ。
100年後にも乗ってみたい最初の市販FCV。電気モーターは力強いから重量級でも大丈夫。
レンジローバーより若い人が乗っても似合う。走りもスポーティだが芯はしっかりしている。
フランス車のいいところが味わえる。シャープだが、正確な反応なので操りやすく乗りやすい。
時代にマッチしている。災害が多い昨今一家に1台欲しい。走りもガソリンと電気で力強い。
文=菰田潔(モータージャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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