20年間のエンジン"ホット100"ランキングの12位はマクラーレンのMP4-12C。このクルマにいちばんピッタリとはまる言葉は「衝撃」だ。私と同じく1位に選んだ小沢コージ氏は「走り出したとたん、欧州のサーキットで初めて乗ったF1マシンを思いだした。驚くべき剛性感と信じられないほど滑らかでヴィヴィッドなステアリングとドラマティックなV8エンジン!
初めて未知の美味しいものを食べた時と同レベルの衝撃」と語る。私はF1は乗ったことないが、この衝撃度合、文句ナシに共感できる。だって「最新型のマクラーレンだってどれも素晴らしいのだけれど、MP4-12Cに初めて乗った時の衝撃ほどではない」(渡辺慎太郎氏)、「躊躇ない前衛っぷりで再び業界に衝撃を与えた」(渡辺敏史氏)、「ミドシップの超高性能車に、即座に馴染んで峠で安心して踏んでいけた日の衝撃」(嶋田智之氏)と、この短い文章の中に、これだけの方が「衝撃」という言葉を入れてくるくらい、よっぽどのインパクトだったのだ。
ちなみに、島下泰久氏や山田弘樹氏が覚えたという「感激」や「感動」を、真の意味で味わうには、高平高輝氏や西川淳氏が言うようにサーキットに持ち込むしかなさそうだが、スーパーカーに「乗りやすさ」という新境地を開拓したマクラーレンMP4-12Cが与えた大衝撃は、その後のスーパーカー界の方向性を間違いなく変えたと思う。21世紀初頭20年に自動車業界全体に、とんでもないブレイクスルーをもたらした、それだけで大きな意味と意義があるのがこのクルマなのだ。
■マクラーレンMP4-12C
全長×全幅×全高= 4059×1908×1199mm、ホイールベース=2670mm、1336kg。マクラーレンのF1マシンにも使われるMP4の呼称が与えられたスーパースポーツカー。3.8L V8ツインターボは、600ps/7000rpmの最高出力と61.2kgm/3000-7000rpmの最大トルクを発揮。トランスミッションは7段デュアルクラッチ式。
文=竹岡 圭
(ENGINE2020年9・10月合併号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
文=竹岡 圭(自動車ジャーナリスト)
advertisement
2025.09.06
CARS
ここはチャンピオンの秘密のガレージ レーシング・ドライバー、山野哲…
2025.09.05
CARS
戻ってきた黄色い86!300台限定のGR86イエローリミテッド発表…
2025.09.05
CARS
未来のTTはちょっとレンジローバー風味? シンプル・デザインへシフ…
PR | 2025.09.02
CARS
ベントレー・ベンテイガ EWB マリナーで九十九里から北総の小江戸…
2025.08.27
CARS
3度目の復活がある!?日産GT-R R35型 最後の1台がラインオ…
2025.08.26
CARS
1万回転に迫る! 新型ランボルギーニ・テメラリオV8ハイブリッドを…
advertisement
2025.08.31
価格は777万円から2000万円台へ 生産終了した日産GT-R、R35型16年の進化を振り返る
2025.09.01
ポルシェ911とボクスターが2台まとめて退院 気になる修理代はいくら?【エンジン編集部長期リポート 79号車 ポルシェ911カレラ4S(996型)#74】
2025.09.06
ここはチャンピオンの秘密のガレージ レーシング・ドライバー、山野哲也さんの自宅ガレージを訪ねる
2025.09.03
トヨタ GRとは?「G's」から「GR」に変わった歴史やGRのコンセプトを解説
2025.08.27
タウンエースにもシエンタにもフリードにも負けていない!【約250万円〜購入可能】ニッサン湘南工場最後の逸品「NV200」に再注目