いまやワゴンRを上回る販売台数を記録する売れっ子になったスズキ・ハスラー。この軽SUVに真っ向勝負を挑むダイハツの切り札がタフトだ。乗用車用プラットフォームにSUVのボディを組み合わせるというコンセプトもまったく一緒。まさにがっぷり四つのライバルだ。ダイハツとしてはこの先駆者に一矢報いるだけでなく、打ちのめしたいところだろう。
スタイリングは丸目でちょっと愛嬌のあるハスラーに対して、タフトはクールでよりワイルドな出で立ち。ところが、乗り味は温和で脚も柔らか。ラフロードよりも断然街乗りが似合うタイプだ。0.66ℓ直3はターボと自然吸気が選べるが、思いのほか好印象だったのは自然吸気。パワーの出方が自然で扱いやすく、音もマイルド。タフトのキャラクターには自然吸気が合っている。
もちろんパワー命というならターボがベスト・チョイス。高速道路での長距離移動や、4人フル乗車が多い人にもオススメだ。ターボが本格的に活動を開始する2000回転中盤くらいからの加速は、ほかのターボ・エンジンを積む軽自動車の例に漏れず、軽自動車とは思えぬ鋭い加速をみせる。エグゾースト・ノートもエンジンのやる気を表すかのように勇ましくなるのも、クルマ好きとしては魅力的に感じるはずだ。
文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=小林俊樹
(ENGINE2020年11月号)
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