2020年下半期、新作時計速報! 恒例の時計フェアは中止になっても、ジュネーブや上海、そして東京での個別発表に加えて、オンラインでも新作時計が続々リリースされている。時計はいつも活力をくれる一種のビタミン。元気カラーでお洒落、ハイスペックと3拍子揃ったこんな最新モデルに注目だ。
新作「RM 72-01」の最大の特色は、自社内で開発とデザインが行われた初の完全自社製フライバッククロノグラフ・ムーブメント。3・8・11の数字を強調し、ブルーのスモールセコンド、オレンジの60分計、グリーンの24時間計を配したオープンワークのダイアルも独創的で、ハイテクウォッチの新たな美学を提唱している。
新世代のスポーティなラグジュアリーウォッチとして2019年にデビューした「アルパイン イーグル」にクロノグラフが加わった。洗練されたデザインのみならず自社製ムーブメントもまた大きな魅力。自動巻きムーブメントは、フライバッククロノグラフ機能が備わり、COSC認定クロノメーターの高精度という逸品だ。
ジェームズ・ボンドとの長年にわたるパートナーシップを祝う特別な「シーマスター」の2020年モデルは、ケースが特別な高級感が漂うプラチナゴールドで作られ、個別番号入り。今回も007のロゴやボンド家の紋章、007にまつわるエレメントが針やインデックスなどに配され、ファンやコレクターには見逃せない。
日本でも人気急上昇のチューダーが新コレクション「チューダー ロイヤル」を発売予定だ。特徴はラインを刻んだ独特のノッチドベゼルとケース一体型のインテグレイテッドブレスレット。日本展開サイズは41㎜、38㎜、28㎜の3種類。41㎜だけが日付とフルスペルの曜日表示が備わるデイデイト式で、価格も大いに魅力的だ。
自社製フライバッククロノグラフ・ムーブメントを搭載して新作を発表したリシャール・ミルとショパール。同じ複雑機能でも、先端のハイテクを駆使して圧倒的な技術力を示す前者と、伝統技術の高度な洗練に注力する後者は好対照を成しているが、ストーリーが豊富な点ではどちらも同じ。日常生活ではまず使う機会のないクロノグラフ機能なのに、なぜか熱く語りたくなる時計だ。
完全自社製フライバック・クロノグラフを搭載したリシャール・ミルの新作に、ショパールの「アルパイン イーグル」からは待望のクロノグラフが登場し、ラグジュアリースポーツは相変わらず元気だ。チューダーの新作もダイアルこそドレッシーだが、ケースと一体化されたようなブレスレットと個性的なベゼルはスポーティな装いにもマッチしそう。
文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
(ENGINE2020年12月号)
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