機械式時計は、長い歴史と先人の偉業を範としつつ、時代にふさわしい新たな発想や技術を加え、進化を続ける。「ハマティック」はその証左でもある。搭載したのは、19世紀のハンマー式巻き上げ機構に着想を得た振り子式自動巻きムーブメントだ。一般的な自動巻きが回転ローターによってゼンマイを巻き上げるのに対し、古い掛け時計に見られるような振り子がこれを担う。
1950年代には腕時計でも試みられ、実用化もされたが、現代では忘れ去られていた技術だ。ケースバックには見たことのないような機構が広がる。ゴールドのウェイトを先 端に備えた楕円形のハンマー振り子が左右に振れることで、巻き上げ方向によって瞬時に切り替わるふたつのラチェットホイールを介し、原動力を香箱に伝える。
振り子の内側には左右にストップバネを取り付け、これが中央のハンマーレバーとの接触時の衝撃を吸収するとともに、振り子を押し戻す初動トルクを与える。ムーブメント直径を生かし、わずか2㎜のハンマー振り子の動きでゼンマイを巻き上げるのだ。古典的なようでいて、実は高効率を実現し、将来の修理メンテナンスの容易さも視野に入れる。それも極めてドイツらしい。
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文=柴田 充 写真=近藤正一 スタイリング=仲唐英俊
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