今回から4回にわたり、合計8フロアにもおよぶ銀座のランドマーク、「アルマーニ / 銀座タワー」を紹介していく。2007年のオープン以来、日本文化を意識した美しい外観でも話題となってきたが、2019年には内外観のリニューアルを完了。独自の美意識が貫かれた空間作りに磨きをかけ、寛ぎと刺激に満ちたショッピング体験を提供している。それではさっそく、ウィメンズフロアから探検していこう。
銀座・晴海通りに面したエントランスを入ると、右手にウィメンズ、左手にメンズのバッグや革小物がずらり。正面のスクリーンにはランウェイの様子が映し出され、モードブランドらしい高揚感をもたらしている。右手奥にはコスメやフレグランス、左手奥にはサングラスやウォッチ。幅広いアイテムを取り揃えて、アルマーニの世界観を小気味よく提示している印象だ。
編集K● エントランスから入ると、壁や天井が自然な木目を出したブルーで統一されているのが印象的だね。寒色系でも冷たさを感じず、すごく理知的で落ち着いた雰囲気になっている。各エリアを仕切る壁にはマザー・オブ・パールの縁取りが施されているんだけど、すべて職人が手作業で貼ったものらしいよ。
ライターN● どれだけ時間と労力をかけたのか……。1Fにはいろいろなアイテムがあって楽しいけど、僕が気になったのはジュエリー。あえて“夜会”というけれど、夜会に映える大ぶりで華やかなデザインは、まさにイタリアン・ジュエリーの真骨頂。最近のハイブランドではあまり見かけないタイプだね。
編集K● スクリーンに映っていたランウェイの映像では、大ぶりなジュエリーを黒のベルベット・ジャケットなんかに合わせていたね。そうやって確認しながら買い物できると、使っている場面をイメージしやすいかもしれないね。
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ウィメンズのウェアを扱っている2Fは、シーズンごとのカラーやテイストで巧みにゾーニング。全体が回廊のような構造になっていて、いくつか連なった小部屋ごとに異なる世界観が提示されている。この仕掛けが効果抜群で、フロアを探検しているような驚きや楽しさがある。
編集K● 各スペースに壁画のようなディスプレイがあるけど、あれはミラノ本社がある古い邸宅に遺されている天井画なのだそう。ミラノと銀座で同じ雰囲気を感じてもらいたいという意図があるらしい。最初は少し違和感があるけど、しばらくその空間にいると馴染んでくるから不思議だね。
ライターN● そうなんだよね。たとえば、上質素材のベーシックなアイテムを揃えている「ニューノーマル」コレクションは、誰もが長く着られるのが魅力。つまり20代が着ても、70代が着ても洒落て見えるような普遍性がある。それがミラノの天井画と一緒に展示されていると、コレクションの意図がよりクリアになる感じがあるね。どんなに時代が変わっても、美しいものはやっぱり美しいという感覚。
編集K● 各部屋がベージュ、ネイビー、グリーンといったアルマーニ氏が愛する色使いで彩られているのもいいね。そこへ最新のコレクションが並ぶことで、シーズンごとに新鮮なマッチングを楽しめる。プレスの方もいつも楽しみにしているそうだよ。
編集K● なんといっても圧巻なのが、各フロアに敷き詰められた大理石の床。ブラジルやトルコ、マダガスカル、パキスタンなどから取り寄せた8種類の大理石を使っていて、目もきれいに揃えられている。それだけで本当に贅沢!
ライターN● 割らないように運搬するだけでも大変な苦労だっただろうね。大理石の色合いは、各フロアのコンセプトに合わせてアルマーニ氏本人が選んだそう。細部までこだわりが徹底していて、銀座タワー全体がアートピースのようだよね。
1F&2Fのウィメンズフロアで、今シーズン注目すべき3つのアイテムを紹介。今回はバッグ、コート、ジュエリーをピックアップしたが、店舗を訪れたらコスメや小物類もぜひチェックしてほしい!
「ラ プリマ」コレクションのハンドバッグ。1990年代に登場したオリジナルにインスピレーションを受けた新作は、シンプルで機能的な原点回帰というべきデザインとなった。コンパクトなミラーが付属するミラーポケット付きで、細部まで同じ作りのチャームとセットで使うとよりキュート。
年齢を問わずに着こなせる「ニューノーマル」コレクションの新作コート。グレージュカラーのカシミヤ素材が非常に温かい印象で、美しいドレープを描く裾がエレガント。メタリックなボタンも絶妙なアクセントになっている。
胸元をゴージャスに彩る大ぶりなネックレスと同柄のピアス。黒とマーブルのミックスカラーで、シックなドレスからカジュアルまで幅広く合わせられるデザインだ。
住所/東京都中央区銀座5-5-4
営業時間/11:30〜19:30(ブティック)
問い合わせ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン Tel 03-6274-7070
www.armani.com
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取材・文=野中邦彦/撮影=中村大輝(植野製作所)/構成=小林尚史(ENGINE編集部)
(ENGINE WEBオリジナル記事)
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