複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!
時計好きなら、このモデルの面立ちを見た瞬間"おや?"と思うだろう。シックなグレーフィニッシュのダイアルに、やけに意味ありげなレッドの指針。インダイアルの数値を確認し、気圧や高度を示すものだと思いあたったところでおおかた予想がつくだろうか。……正解。
このモデルは高度と気圧を表示し、登山などで活躍する類い稀なアウトドア・ウォッチなのだ。もっとも高度計を備えたモデルは現代において珍しいものではない。ただ、それらは基本的にクオーツ式。
だが、「レイダー・ビバーク 9000」は純然たる機械式だ。くだんの高度計測機能もゼンマイと歯車によってなされる、というミラクル。このモデルは1737年創業の古参、ファーブル・ルーバが1962年に発 表したアネロイド気圧計の現代版。気圧変化に応じて膨張・縮小する金属製カプセルの動きを表時機構に変換し、正確な高度を表示する。
初代は計測値が標高3000mまでだったが、本作で9000mに進化した。エベレスト登頂だってOKだ。この時計を手にすれば、意識は自ずと天上に向き、雄大な山頂への憧憬が募る。唯一無二の"エンジン"には確かな技術力と、甘美なロマンが潜む。
文=川口哲郎 写真=近藤正一
(ENGINE2021年1月号)
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