2021.02.17

WATCHES

時計ジャーナリスト・柴田 充が本気で欲しい1本/グランドセイコー 60周年記念限定モデル SLGH003

GRAND SEIKO(グランドセイコー)/60周年記念限定モデル SLGH003グランドセイコーの原点である3針デザインに、ブランドを象徴するブルー文字盤に高精度を誇示する赤い秒針が映える。グランドセイコーの機械式初の瞬間日送り機構を搭載。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径40㎜、10気圧防水。世界1000本限定。税別100万円。

全ての画像を見る

時計ジャーナリストが選ぶ"これぞ"の1本! コロナ禍の影響で時計フェアは軒並み中止になったものの、魅力的な新作が数多く発表された2020年。その中から時計ジャーナリストが選んだ"本気で欲しい!"と感じた傑作モデルとは? 



キャリバー9SA5は、約8万通りから決定した独自形状の巻き上げヒゲと、フリースプラング式テンプ、さらにツインバレルを採用する。


未来のヘリテージをリアルタイムで手にする幸せ

本誌の2020年時計予測では、大晦日に訪れた落成直後の新国立競技場の前で、国産時計の新たなレガシーについて考えた。誰もがそうだけれど、まさかこんな1年になるとは夢にも思わなかっただろう。それでも時は進み続ける。秋にはグランドセイコー60周年を迎えて新設されたグランドセイコースタジオ 雫石を訪れた。


奇しくも設計は、新国立競技場も手がけた建築家の隈 研吾氏。なんだかデジャブーのようだ。この新たな製造拠点で作られているのが、約22年振りにフルモデルチェンジしたグランドセイコーの自動巻き式キャリバー9SA5だ。10振動の高精度に、80時間の長持続を併せ持つ。けっしてスペック偏重主義ではないが、組み立て担当者の「気持ちよく精度が出る」という話から真価が伝わる。しかも週末の間、外しても正確に動き続けるのだ。これを搭載したステンレススティール仕様こそ現代の最高峰の実用時計だろう。


スマートウォッチの時代、機械式時計にとって実用性とは何か。このグランドセイコーの新作は、かつてクオーツの台頭時、スイスが導き出したその意義を踏まえつつ、新たな次元で国産ならではの品格と矜持を添える。2020年を記憶に止めるためにも手に入れたい、価値ある1本だ。


柴田 充(しばた・みつる)/時計、ファッション、クルマなど男性の趣味ジャンルが専門。じつは2020年にはまったくベクトルの異なる新作時計を手に入れた。もしかしたらヴィンテージイヤーといえるのかも。


無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



advertisement