1912年にフランス・パリで開業した「ブノワ」。100年以上の歴史を誇るこの老舗ビストロは、現在、アラン・デュカス氏が設立したデュカス・パリ監修のもと、東京とニューヨークにも店を構え、世界の美食家たちの人気を集めている。その「ブノワ」が昨年3月、「ザ・ホテル青龍 京都清水」の敷地内に「ブノワ京都」をオープンした。
エグゼクティブ シェフを務めるのはアントニー・バークルさん。35歳の若手ながら、パリの3つ星レストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」や「ブノワ ニューヨーク」などで経験を積んだベテランである。かつて大阪の「ル・コントワール・ド・ブノワ」でスーシェフを務めていたこともあり、流暢な日本語を話す。
「私が生まれたのはフランス、ロワール地方の食材が豊かなエリアですが、京都の食材も素晴らしい。特に京野菜は、どれも濃くて素材そのものの味がします。また京都産和牛のイチボにミョウガや湯葉をあわせたり、春には桜の塩漬けを料理に取り入れたりと、フランス料理と和食材の取り合わせを僕自身、とても楽しんでいるんですよ」(バークルさん)
もちろんパテ・アン・クルート(パテのパイ包み)やカスレ(いんげん豆を使った煮込み料理)といった定番メニューもぜひお試しいただきたい。いずれもフランスの伝統的な食文化を伝える「ブノワ」らしいビストロ料理だが、これらにもできる限り地元の食材を使うようにしているという。
ちなみに「ブノワ 京都」の建物自体は瓦屋根の和風建築で、窓の外に見えるのはエッフェル塔ならぬ法観寺八坂の塔。だが店内にはアラン・デュカス氏が選んだアンティークのポスターが飾られ、フランスの蚤の市で購入した家具や小物が随所に置かれている。パリと京都の”幸せな邂逅”は料理だけでなく、店内に足を踏み入れた瞬間から感じ取ることができるはずだ。
■ブノワ 京都
ザ・ホテル青龍 京都清水 敷地内別棟
営業時間:ランチ 11:30~16:00(15:00 L.O.)/ディナー 17:30~23:00(21:30 L.O.)
TEL.075-541-0208 www.benoit-kyoto.com
文=永野正雄(ENGINE編集部)
(ENGINEWEBオリジナル)
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