2021.04.21

CARS

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スーパースポーツと美しさを実現した、マクラーレンGTの魅力とは!?

マクラーレンが彼らの第4のシリーズとして送り出した “GT” は、その名の通りのグランドツアラーにあらず。桜の舞い散る春の日にGTに試乗した自動車評論家の山崎元裕氏は、そう考察する。


McLaren GT
積極的かつ挑戦的 

マクラーレン・オートモーティブ社は今、2018年7月に発表された中期計画、「トラック25」に基づいた、ニュー・モデル計画を進行中だ。これは2025年までに、派生モデルを含む18のニュー・モデルを市場へ投入するという積極的なもの。


創業からわずか10年という時間で、わずか2万台程度のグローバル・セールスを可能にしたばかりの小規模な自動車メーカーとしては、このプランは同時にきわめて挑戦的なものにも感じられる。しかもそのすべてがスーパースポーツとしての成り立ちを持つのだから、これは世界的にも珍しい例と考えられる。


これまでマクラーレンのベーシック・ラインを担ってきたスポーツ・シリーズは、先日その生産中止が発表されてしまったが、その上位に位置するスーパー・シリーズ、限定生産を前提とするアルティメット・シリーズ、そして今回試乗するGTはこれからも健在だ。


MP4-12C以降の近代マクラーレンの中でも、もっとも伸びやかで流麗なスタイリングを得たGT。


それにしても、美しいシルエットを持つスーパースポーツである。今回は桜の咲き誇る中で、このGTをドライブすることができたわけだが、すべてのデザインが機能を持つことが、その美しさの理由となっていることは容易に理解することができた。


前後に実用的なラゲッジ・ルームを与えることもまた機能の1つであるならば、それと優秀なエアロダイナミクスを両立させることもまたスーパースポーツとして何よりも重要な機能にほかならない。GTのシルエットから感じる特別な美しさはここに理由があるのだろう。


流麗なボディのデザインが際立つデュオ・トーンが基本、ルーフ部分は試乗車のようなガラス・ルーフ以外にカスタマイズでグロスブラック・ペイントとすることも可能。

スーパーカー・オーナーにとっての喜び

スポーツ・シリーズやスーパー・シリーズよりも、ぐっと鋭利なデザインにまとめられたGTの傍らに立ち、ボディに備えられるボタンをプッシュ。マクラーレンの最大の特徴ともいえるディヘドラルドアは、これで簡単に持ち上げることができる。


キャビンへの乗り降りは想像以上に楽なもので、基本構造体はやはりCFRP製のモノコックタブだが、サイドシルの高さは低く、自然な姿勢でドライバーズ・シートに身を収めることができる。内装は上質なナッパーレザーで仕立てられるが、さらにスパルタンな空間を望むカスタマーには、ソフトグレインレザーやアルカンターラへの変更も可能。キャビンはますますスパルタンなスーパースポーツのそれになる。


リムが細めで非常に握りやすい断面構造となっているステアリング・ホイール。またステアリング自体に一切スイッチの類いはない。あくまでドライビングに集中するための仕立てなのだ。



中央コンソールに潜む始動スイッチとドライビング・モードの切り替えスイッチ。


センター・コンソールは、例によってインフォテイメント・システム用の縦型7インチ・モニターと、パワーユニットやシャシーを好みのセッティングに変更できるスイッチ、そしてシフト・スイッチなどが整然と配置されている。


特にパワーユニットとシャシーのセッティング・スイッチは、その操作方法は現実的にはオーナーのみが知るところ。そのような秘密の操作系があることも、ある意味スーパーカーには必要だとは考えられないか。



タイヤはフロントが225/35R20、リアが295/30R21と前後異なるサイズのピレリPゼロを履く。

紛れもないスーパースポーツの世界

センター・コンソールの最前方にあるイグニッション・スイッチを押して、リア・ミッドに搭載されるエンジンを始動する。このGTでもエンジンはお馴染みの4ℓV型8気筒ツイン・ターボで、最高出力は620ps、最大トルクは630Nmにも達する。


ちなみにこの最大トルクは、その95%以上が3000〜7500rpmという高範囲で発揮されるから、実際の加速は7段のシームレス・シフト・ギアボックス(SSG)のスムーズな動きとともに、まさに途切れることなく強烈に続く。加速Gに全身を襲われるこの感覚はGTの世界ではない。それは紛れもなきスーパースポーツの世界。


市街地ではやや硬めの印象を感じたサスペンションも、最初はフロントに20インチ、リアに21インチというサイズのタイヤを装着している影響もあるのだろうと予想していたのだが、実はベストなセッティングは、日本で許される最高速をはるか超える速度域にあることが簡単に想像できた。


GTはGTでも、これは超高速を意識したGTで、そこまでのプロセスでスーパースポーツからGTへとキャラクターを変化させるのだ。


都心を行くGT。大きな凹凸を越える際にはノーズをリフトさせることも可能。


そのように考えると、あらゆる部分に納得がいく。例えばそのボディ・デザイン。美しい独特な曲面で仕上げられたボディは、高速域で素晴らしい安定感を体験させてくれるが、この空気の壁を切り裂くかの如き鋭利なシルエットは、同時に前後のオーバーハングを拡大し、GTとして必要なラゲッジ・ルームを作り上げた代償でもあるのだ。


常に車重に関してはストイックに過ぎるマクラーレンが、1530kgもの重量をGTで許容したのは、やはりスーパースポーツとGTの二面性を実現することが開発時の根底にあったということになる。


今回試乗した山崎氏によれば、GTは現行マクラーレンの中で最も魅力的な存在に見える1台という。

スーパースポーツとしての一面

桜の舞う、日本で最も美しい季節にドライブすることができたマクラーレンGT。ルーム・ミラーやサイド・ミラーから見える桜の花弁は、この季節だけの彩りだ。ワインディングでより大きく感じたのは、もちろんGTではなくスーパースポーツとしての一面だった。


搭載される4ℓV型8気筒エンジンは、ターボ・エンジンにもかかわらず、実に魅力的なレスポンスを披露し、アクセレレーターの動きにも忠実に反応する。


前方にトラフィックがいないことを確認してフルスロットルを試みれば、100km/hの壁などゼロ発進からでもわずかに3.2秒。ここから326km/hの最高速まで、今度はどのように快適で安定したGTの世界が待っているのだろうと思うと、それもまた楽しみになる。


そして最も気になるのは、どれだけの速度でこのモデルはスーパーカーからGTへとキャラクターを変化させるのかということ。 参考までにこのGTのラゲッジスペースは、トータルで570ℓ。短期間の旅行程度ならば、リアにすべての荷物を積み込むこともできそうだ。


LEDのストレート型のテール・ランプも従来のマクラーレンとは異なる、新たな提案だ。



コンフォート・モードからスポーツ・モードへ切り替えると、シフト・インジケーターがより目立つようになると同時に、回転計のレッド・ゾーンの表示も変化する。


ステアリング、シート、ペダルの相互関係はほぼ完璧といえるもの。


GTは、現在のマクラーレン車の中でも最も魅力的な存在に映る1台だ。今後さらに進行する「トラック25」計画の中で、このGTのコンセプトを受け継ぐモデルが誕生するのかどうか。個人的にはパワーユニットの電動化などとともに、それを大きく期待したいところだ。マクラーレンの未来はその期待を裏切ることはないだろう。


マクラーレンGTの詳細はこちらから

(ENGINE WEBオリジナル)


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文=山崎元裕 写真=郡 大二郎

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