アウディはQ4 e-トロンとQ4スポーツバックe-トロンをオンラインで世界初公開した。アウディのEVとしては第3弾で、販売好調なコンパクトSUV市場への参入により、電動化のさらなる推進を図るモデルだ。
全長4590mm、ホイールベース2760mmというボディ・サイズは、Q4という車名の通り、まさにアウディQ3とQ5の中間に位置する。しかし、パワートレインをコンパクトにできるEVの特性を生かし、フルサイズSUVに匹敵する室内長を実現したという。センター・トンネルがないため、後席の足元も広い。
ラゲッジスペースの容量は、Q4が520~1490リッター、Q4スポーツバックが535~1460リッターで、室内には約25リッターの収納スペースも確保した。ドアの上部には、1リットルのボトルも収納できるドリンク・ホルダーを一体化した。牽引能力は2WDモデルが1トン、4WDモデルが1.2トン。また最大75kg積載可能なルーフ・レールを備える。
インテリアには、10.25インチのディスプレイを用いたメーター・パネルを標準装備。道路に浮かぶようなルート案内表示を行う拡張現実ヘッドアップ・ディスプレイや、公共充電ステーションの近くを通るルート設定を行うナビゲーション・システムなどを用意する。インパネ中央に備わるインフォテイメント用ディスプレイはタッチパネル式。各種の操作や設定はこちらでできるが、空調用の操作スイッチはディスプレイ下に別途備わる。オーディオはスマート・スピーカーで知られるソノス製システムをオプション設定。スマートフォンとのワイヤレス接続に対応する。
車体のベースとなるプラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのEV用モジュラー・プラットフォームであるMEBを採用。ボディは超高張力スチールを多用することでねじり剛性を向上しつつ、サイド・シルには軽量なアルミ素材も用いたハイブリッド構造とした。Cd値がQ4で0.28、Q4スポーツバックで0.26と、エアロダイナミクスにも優れる。サスペンションはフロントがストラット、リアが5リンクだ。
駆動方式は後輪駆動がベースで、リア・モーターは170ps、204ps、299psの3種類。さらに、フロント・モーターを追加した4WDモデルの「クワトロ」も設定される。エネルギー回生はステアリング・ホイールのパドルで3段階の調整が可能だ。
バッテリーはグロス/ネット容量が55kWh/52kWhの9セル版と、82kWh/77kWhの12セル版を用意。航続距離は、WLTPサイクル・テストで最大520kmをマークする(Q4 40 e-トロン)。125kWのDC急速充電を使用すれば、約10分のチャージで最大130km走行可能。交流充電は最高11kWに対応する。
ドイツ本国での価格は、Q4が4万1900ユーロ(約545万円)、Q4スポーツバックが4万3900ユーロ(約571万円)から。欧州では、Q4が6月、Q4スポーツバックが夏の終わりに発売される予定だ。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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