2024.05.01

CARS

なんてお洒落な! 新車同然(いや新車以上!)の190SLと280SLに乗れるなんて! レストモッドで蘇った名車が、街の風景を変える!!

今年の3月中旬に東京南青山にオープンした「ABODA GARAGE」。オーダーから納車までの期間は12ヶ月。価格は190SLが32万ユーロ、一方W113系は基本的に台数の多い280SLをベースとし35万5000ユーロで販売される。機関(消耗品などを除く)に関しては2年間の保証も付帯する。

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憧れの旧車を自分の好みで仕立て、新車同然の状態で手に入れることができる。そんな夢のようなことを始めたブランドがオープンした。名車として名高い2台のメルセデス・ベンツは目を見張る仕上がりだった。モータージャーナリストの藤原よしおがリポートする。


SLのレストモッド

近年クラシックカーの世界で“レストモッド”という言葉をよく聞く。これはレストアとモディファイを組み合わせた造語で、フルレストアを行いながら、エンジン、ギヤボックスなどのメカニカル・パート、さらには内外装までも現代風にアップデートするというものだ。

そもそもはアメリカ車を中心に始まったムーブメントだが、2009年頃にロッド・エモリーがポルシェ356、シンガーが964型ポルシェ911をベースに現代版ホットロッドを製作するようになってから、レストモッドという新たなジャンルが確立されるようになった。

メルセデス・ベンツ190SL(1959)/1955年から63年までに2万5881台が作られた190SL。

すでに60年以上が過ぎたオープンカーで傷みやすく、メインはスチール、ボンネットやフードがアルミと手間のかかるボディながら、面、チリもキッチリと出ており、非常に丁寧な仕事ぶりが窺えた。

今年の3月中旬に東京南青山にオープンした「ABODA GARAGE」が用意するのは、W121系メルセデス・ベンツ190SLとパゴダ・ルーフの愛称で呼ばれるW113系280SLのレストモッド。しかしながら、その中身は前述したような“モッド”の比率が高い華美なものではなく、安心して快適に乗ることに重点が置かれている。

「機関はほぼ新車と言っていい状態で、90%近くを新しい部品に変えています。一方で快適に乗るために発電機をオルタネーターに変え、電動パワステをつけ、190SLではフロント・ブレーキをドラムからディスクに変えています。日本では必須のエアコンも標準装備、普段も快適に走れるクルマを目指しました」と説明してくれたのは同社の田中一嘉さん。聞けば、ドイツのビルダーと提携し徹底的なシャシーアップ・レストアを行い、現代の道路環境に対応するためのモディファイを加えているのだという。

実際に展示されている190SL、280SLを見せてもらったのだが、ボディはもちろんエンジン・ルームを見回してもオリジナリティを損なうようなモディファイは加えられていない。それはインテリアも同様で、後付けのエアコンが雰囲気を損なわないように上手くフィッティングされているのも好ましい。

また1897cc直4SOHCエンジン、4速フルシンクロMTをはじめとする機関系、新車同然のインテリアを含め、実用本位のアップデートをしながらもオリジナルに留意したレストアが施されていた。


それに加えて「ABODA GARAGE」では外装、ソフトトップ、インテリアのレザー、カーペットを豊富なカラー・バリエーションの中からセレクトできるのが特徴で、同社のホームページのコンフィギュレーターを使い、内外装の組み合わせを自由に試すことができる。また展示車の190SLのようにメッキパーツをマット仕上げにするなど、様々なエクストラ・オーダーに応える用意もあるという。

田中さんによると、オーダーから納車までの期間は12ヶ月。価格は190SLが32万ユーロ、一方W113系は基本的に台数の多い280SLをベースとし35万5000ユーロで販売される。しかも機関(消耗品などを除く)に関しては2年間の保証まで付帯されるのだ。


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