2021.09.10

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「エルメス」編

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第13弾。エルメスからは、ブランド初のスポーティモデルと繊細な職人技とアートワークが見事なモデルをクローズアップ! 時計ジャーナリストの菅原 茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

職人技を極めたアートダイアルもエルメスのスペシャリテ

馬具製造から始まったエルメスは、つねに熟練職人の専門的な手技を重んじ、時計ではとくにそれを希少なアートダイアルに反映してきた。今年披露された新作の「スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット」もまさにエルメスを象徴するスペシャリテだ。薄くてエレガントな時計に組み込まれた新しいダイアルは、カレ(スカーフ)の柄でもおなじみの野村大輔氏のデザインによる「セ・ラ・フェット」をパイヨンエナメル技法とエングレービングを駆使して精密に描き出したもの。極めて古典的な職人技でロックスピリットを表現するエルメスの遊び心が絶妙だ。


 
スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット
2012年にエルメスのカレ(スカーフ)に取り入れられた野村大輔氏の「セ・ラ・フェット」のデザインから骸骨の馬と騎手をダイアルに精巧に再現。ゴールドに彫金でモチーフを刻み、パイヨンで輝きをミニアチュールエナメルで色付けして完成したダイアルは紛れもなく一流のアートピース。自動巻き、エルメス・マニュファクチュールH1950。ホワイトゴールド、ケース直径39.5mm、3気圧防水。世界限定8本製作。1274万9000円。(C)Claude Joray

 

エルメスH08
エルメスの描く男性像からデザインを発想し、新しいコレクションとして今年スタートした「エルメスH08(エイチオーエイト)」は、スポーティなクッション型ケースや現代的なハイテク素材が特徴的。自動巻き、エルメス・マニュファクチュールH1837。DLC加工を施したチタン、ケースサイズ39mm×39mm、10気圧防水。64万3500円。(C)Joel Von Allmen

時計ジャーナリスト・菅原茂はこう見た!
2021年に本格始動したスポーティな新コレクション「エルメスH08」。それと「スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット」は、まったく別世界に見えるが、洒落者男子たちをぞくっとさせるツボをおさえた点では完全に共通する。宝飾と時計に精通した時計開発担当クリエイティブ・ディレクターのデロタルさん、やるなぁ。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
満を持して発表されたスポーツモデル「エルメスH08」に話題が集まっているが、熟練のエナメルとエングレービングの技術が生み出す芸術的作品とも言える「スリム ドゥ エルメス セ・ラ・フェット」は、「これぞエルメス!」という細密画法の傑作だ。日本人デザイナー、野村大輔氏の作品は幻想的な世界に見る者を誘ってくれる。

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2021年7月号)

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