2022.02.17

WATCHES

「スタイルのある時計が欲しい!」 VACHERON CONSTANTIN(ヴァシュロン・コンスタンタン)篇

クルマは移動の手段としても役に立つだけでなく、退屈な日常をウキウキした気分に変える不思議な魅力を併せ持っている。時計も同じだ。時刻を知る道具であることを超えて、着けるだけで生活に彩りを添えてくれる良きパートナーでもあるのだ。だからこそクルマも時計も、自分に合ったスタイルのある1台、1本を選びたい。そんな想いを込めて、ヴァシュロン・コンスタンタンの至高の1本を時計ジャーナリストの篠田哲生が解説する。

ドレッシーだが型破り 自分流に着けこなしたい

“型破り”という言葉は、伝統芸能の世界でよく使われる。型=決まり事があるからこそ、そこを破って飛び出すことに意味があるし、それが魅力となる。ヴァシュロン・コンスタンタンは1755年に創業したジュネーブの名門であり、今の伝統的な“型”を丁寧に守っている。

特に“遺産”の意味を持つ「パトリモニー」は、1950年代モデルに着想を得た柔らかなケースフォルムや楔型インデックス、そして細くて長い針が特徴。まさにヴァシュロン・コンスタンタンのエレガンスを表現している。しかしこの「パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト」は、“型破り”なモデルでもある。

端正なスタイルながらケース径は42.5mmと大きく、しかもダイアルの上半分を大きなレトログラード・デイトが覆っている。さらにムーンフェイズ表示がポエティックな表情を作り出しており、ドレスウォッチでありながら、感性に訴えかける魅力がある。

こういう時計はスーツやジャケットなどに合わせるだけでなく、タキシードなどの礼服に合わせてもいいだろう。本来ならシンプルな2針が正解だが、癖のある型破りな時計の存在感なら、腕元のアクセントとして、ジュエリー的に楽しめる。


パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト
レトログラード針が印象的なドレッシーモデル。ケース径は大きいが、厚みは9.7mmに抑えており、シャツの袖とも干渉しにくい。ムーンフェイズ表示の精度にもこだわり、約122年で1日分しか誤差が生じない。搭載ムーブメントは自社製のCal.2460 R31L/1。精緻なギヨシェ彫りを施したローターも美しい。自動巻き。ピンクゴールド、ケース直径42.5mm、3気圧防水。532万4000円。

問い合わせ=ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755 https://www.vacheron-constantin.com/jp

文=篠田哲生 写真=近藤正一 スタイリング=石川英治(T.R.S)

(ENGINE2022年1月号)

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