2022.04.18

WATCHES

【vol.5「10万円未満」台篇】時計ジャーナリストが自信を持ってオススメする 50万円までで買える「価格を超えた価値ある時計」はコレだ! vol.5「10万円未満」台篇

円安や原材料の高騰などで進むインフレ。その影響は時計にも表れ始めている。しかし、ご安心あれ。実はお値段以上のお得なモデルも少なくないのだ。というわけで、時計ジャーナリストが選ぶ財布に優しい10万円未満で購入できる実力派モデルを紹介します!

エントリー機とは言わせない実力派揃い! 菅原茂のイチオシ! ハミルトン カーキ フィールド メカ

絶妙に演出されたデザインとメカ
ミリタリーウォッチ好きにとって魅力的なのはもちろんだが、時計としての完成度においても抜群のモデルである。まずは、1960年代のオリジナルを忠実に復刻したヴィンテージデザインやNATOストラップ。加えて注目ポイントは、搭載する手巻きムーブメント。ハミルトン専用に開発されたこのH-50は標準持続時間80時間を誇るツワモノなのだ。6万円台という価格も考えると、言うことなしの良品だろう。ステンレススティール、ケース直径38mm、5気圧防水。6万6000円(3月1日から)。

白い数字を採用したダイアルは、かつて米国陸軍に供給されていた軍仕様モデルに通じる。経年変化を模した蛍光塗料も味わい深い。

大野高広のイチオシ! ティソ PRX オートマティック

ラグスポ調のブレス一体型デザインに強力なムーブメント
1978年に誕生したブレス一体型ケースの名作「PRX」を再解釈。ヴィンテージ感あふれる薄型フォルムは、いまどきのラグジュアリースポーツ風でもあり、シャープな造形はスタイリッシュそのもの。皮脂が目立たないサテンに仕上げた外装に対して、ポリッシュ仕上げのベゼルや面取り部の光沢でアクセントを効かせるなど、老舗らしい緻密な作り込みも際立つ。最長80時間駆動の自動巻きムーブメント搭載により、この価格帯ではもはや敵なし? ステンレススティール、10気圧防水。8万5800円。


高性能な自動巻きキャリバーPOWERMATIC 80を搭載。ロゴ入りローターがゼンマイを巻き上げる様子は、シースルーバックから楽しめる。

福田豊のイチオシ!  ブローバ ミルシップ

ヴィンテージ&ミリタリーが格好いい
復刻好き、ミリタリー好きに、大おすすめ。1957年に米海軍潜水実験隊=NEDUに納品されたものの、プロトタイプのみにとどまった「MIL-SHIPS-W-2181 潜水用ウォッチ」の復刻モデル。ケース内部で湿度を検知すると色の変わる「モイスチャーインジケーター」を6時位置に装備。両回転ベゼルは押し込んで回転させる機構。といった独特のディテールを完全再現。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径41mm、20気圧防水。8万8000円。


オリジナルはプロトタイプのみのため、まさに幻のモデル。そういうところも通好みで、個性的に着けこなすことができる。

竹石祐三のイチオシ!  ガーミン インスティンクト2 デュアルパワー タクティカルエディション コヨーテタン

野外での利便性を実感できるバッテリー性能
アウトドアで着用する時計に求めるのは、視認性と耐久性、そしてロングバッテリーライフだが、どれも一長一短があり決定打に欠けていたのは事実だ。それを打破したのがガーミンの「インスティンクト」シリーズであり、その最新モデルとなる本作では、スマートウォッチモードでも無制限(※終日装着のうえで屋外にて50000ルクスの状況で3時間のソーラー充電をした場合の想定)のバッテリーライフを実現。搭載する機能も多彩だが、突出したバッテリー性能だけでも大きな価値がある。クオーツ。繊維強化ポリマー、ケース直径45mm、100m防水。6万8200円。


ケースバックには光学式心拍計を搭載。心拍数を測定するのみならず、各種スポーツアクティビティと連携させ、健康管理が行えるのも便利。

編集部のイチオシ!  カシオ G-SHOCKのカスタマイズサービス「MY G-SHOCK」

約190万通りの組み合わせから作れるG-SHOCK
10万円未満で自分だけのオリジナルの時計を作れる。そんな夢のようなカスタマイズサービスが、昨年の10月20日からスタートしたカシオ計算機の「MY G-SHOCK」だ。G-SHOCK初号機を引き継ぐスクエアデザインにカーボンコアガード構造を採用した「DWE-5610」をベースに、ベゼル・バンド・フェイス・遊環などのパーツの色を選び、自分好みの1本を作れるのだ。コーデに合わせてG-SHOCKを着け替える。そんな楽しみも夢じゃない! WEBサイトでの注文から3?5週間程度で発送される。1万5400円から。https://www.casio.com/jp/watches/mygshock/

菅原茂:「時計記事を書いて30年。時計もずいぶんと高価になった。その間の日本経済の成長が鈍ったので、なおさら時計が高く見えてしまう。だが、最近は高品質でお手頃価格、価格以上の良品も確実に増えた。自分もまた1本欲しくなった。

大野高広:時計専門誌や一般誌などで編集&執筆。時計、バイク、クルマ(&ゴルフ)をこよなく愛する自己満足型の趣味人。数百万円以上の高額モデルが好調な一方、数万円から魅力的なモデルが数多く見つけられるのも時計趣味の良さと実感。

福田 豊:100万円オーバーならすぐ見つかる。ミドルレンジで魅力的なモデルを探すのが難しく楽しいのだ。と言っていたら、この企画の依頼が来て、驚いた。以心伝心ですね。いやあ、書きたいことがちょうど書けるなんて、よかったです。

竹石祐三:(ほぼ)腕時計を主戦場にするエディター/ライター。価格帯を問わず、腕時計は“プロダクト力”が重要だと常々考えており、特にミドルレンジ~ローエンドのモデルでは、外装の仕上げや独自性のある表現に着目している。

文=菅原茂/大野高広/福田豊/竹石祐三
※時計の価格はすべて本誌掲載時点の税込価格となります。

(ENGINE2022年4月号)

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