毎年、数多くの新作を取材・批評する時計ジャーナリストも、元はと言えば単なる時好きに過ぎない。そんな彼らは実際にどんなモデルを購入しているのか。時計ジャーナリスト・菅原茂が本気で惚れ込み、実際に喉から手を出した時計を披露してもらった。レアな素材とシックなカラーが絶妙な才色兼備のダイバーズにひと目惚れ毎年たくさんの時計に接するから、欲しい時計は増えるばかり。ただ、実際に購入するときは、「これだ?!」と思った直感を信じ、たいていは熱が冷めないうちに手に入れてきた。昨年の夏に購入したチューダーの新作「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」の場合も同じだった。出合いは、記事を書くときに参照した報道資料である。
「スターリングシルバー製ダイバーズか、おお、いいかも」と注目した。次に実機を見たくなり、撮影のために借用した。まず腕に載せてみる。腕になじむアンダー40mmの程よいサイズとスターリングシルバーの重量感が絶妙だ。落ち着いたグレーブラウンのダイアルとベゼルは、まさに欲しいと思っていた好みのカラー。ダイバーズウォッチでは定番のブラックとは異なり、これぞオシャレなアーバンシックのテイスト。そしてもちろん、ムーブメントは、最先端のシリコン製ヒゲゼンマイを搭載し、COSC認定クロノメーターおよび70時間パワーリザーブの高性能自社製。なんとも魅力満載ではないか。これは買わずにいられないと、さっそくチューダーの銀座ブティックに出向いて入手。ここ半年近く愛用しているが、満足感は申し分ない。これからの年月で微妙に変わっていくはずのシルバーの色も楽しみのひとつだ。菅原茂が身銭買いした「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」チューダー初の200m防水ダイバーズが発表された1958年と、チューダーのダイバーズウォッチでは初のシルバー素材の純度にちなんで「フィフティ-エイト925」と命名。当時と同様の39mmケースを用い、シースルーバックからCOSC認定クロノメーター、約70時間パワーリザーブの自社製自動巻きムーブメントが見える。50万2700円。
菅原茂:クラシカルなドレス系からスポーツウォッチまで所有するが、外出が激減した今は日常のテレワークで着けている。で、服装との相性を無視したコーデもまったく気にしない。これも楽しいと気付く。文=菅原茂(ENGINE2022年2・3月合併号)
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