2022.04.25

LIFESTYLE

人種、階級、ジェンダーなど、さまざまな問題を考えさせられる プラダ 青山店で今話題の展覧会「Role Play(ロール プレイ)」を見てきた!!

ジュノ・カリプソ(英国)による写真シリーズ『What To DoWith a Million Years?』は、全体がピンク色で装飾され、70年代にラスベガスの地下に核攻撃の際の避難場所として建てられた邸宅をカメラに収めたもの。Juno Calypso/Die Now, Pay Later, 2018/Courtesy of the artist and TJ Boulting

全ての画像を見る
現在、Prada 青山店5階にて展覧会「Role Play(ロールプレイ)」が開催中。国内外で活躍する5組6名のアーティストによる写真や映像、音声作品などが展示される。さっそく、プレビューを見にいった。

会場で実際に作品を前にしてわかること

昨年に続き、プラダ財団による企画展の第2弾となる展覧会「Role Play(ロール プレイ)」がスタートした。キュレーションを務めるのは、大学教授、作家、テレビの司会者として活動する米国のメリッサ・ハリス氏。テーマは、代替可能かつ理想化されたアイデンティティを模索し、投影し、作り上げる概念について。5組6名のアーティストが、それぞれの作品を通じて、個人の本質や表向きの人格の追求とその理解に迫る。

Tomoko Sawada/OMIAI, 2001/Credits of the artist/Courtesy ROSE GALLERY

一見、テーマは難解なようだが、会場で実際に作品に触れると、その内容がダイレクトに伝わってくる。たとえば澤田知子の作品「OMIAI♡」は、衣装・ウィッグ・メイクを変え、さらには体重を増減させて30人の異なる女性に扮したお見合い写真のシリーズ。日本独自の習慣を再現し、個人の内面と外見のイメージの関係を探る。

また、ハルカ・サカグチとグリセルダ・サン・マルティンによる作品は、ハリウッドで活動する俳優たちが、人種や性別などでキャスティングされる典型的な役と、本来自らが演じたい役のギャップを連続した写真で見せている。マイノリティ=ギャングなどといったステレオタイプな配役が根強い、ハリウッドの多様性の欠如を皮肉交じりに表現している。

世界で活躍するアーティストたちの作品を通じ、人種、階級、ジェンダーなど、さまざまな問題を考えさせられる展覧会だ。

展覧会「Role Play(ロール プレイ)」
会期:2022年6月20日(月)まで
場所:プラダ 青山店 5F
住所:東京都港区南青山5-2-6
時間:11:00~20:00
入場:無料
※新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、状況に応じて入場制限を行う可能性あり。

文=小林尚史(ENGINE編集部)

(ENGINE 2022年5月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement