時計選びの基準が新たな局面に入ってきた。
これまでは使用するシーンを意識したルール的なものが存在したが、今は自身の”個性”や時計の持つ”物語”をより重視するように。性別やスタイルを超えたデザインやサイズ、また、環境に配慮した素材や従来の常識を覆す性能、異ジャンルとのコラボレーションなど、新たな取り組みが増えてきている。
そんな”これから”の時計選びの楽しみ方を「ネオ・ヴィンテージ」「モアバリュー」という要素に注目し、「ユンハンス」渾身のモデルの魅力を通して紹介する。
1972年のモダン・クロノグラフ
そもそもヴィンテージ・ウォッチの人気は、クオーツ時計が市場を専有し始めた1970年代末から80年代なかばに興った。この時代に人気だったのは1930~50年代の古典的なモデル。つまり70年代のモデルはヴィンテージと呼ぶには”新しすぎた”のである。
だが、1970年代からすでに半世紀がたった今、この時代のモデルも十分にヴィンテージとなった。そこで近年、1960年代末から70年代のモダンなモデルが、次々に復刻されるという状況が生まれたのだ。
そう考えるとドイツの老舗ウォッチ・メーカーのユンハンスが発表した「1972 コンペティション」こそ、21世紀にフィットする時を超えたウルトラ・モダンなタイムピース。
この時空を超えて蘇ったクロノグラフは、1972年にミュンヘンで開催された国際的なスポーツ大会で公式タイムキーパーを務めたユンハンスにとって記念碑的なタイムピースでもあるのだ。しかも、単に形が未来的なだけでなく、腕への最上のフィット感をもたらすべく考案された三次元的なケースバックなど、時代を先取りした仕様が随所に見られる点で、このモデルの復刻には大きな意味があり、それがまた魅力なのである。1972コンペティション渋いアンスラサイトのベースにビビッドなオレンジの積算計とタキメーター・スケールを配した大胆なカラーリングが1970年代という時代性を物語る。リュウズとプッシャーがケースのトップにあるのも、この時代のトレンドであり、計時のための精密機器という印象を強く受ける。世界限定1972本。自動巻き。ステンレススティール、ケースサイズ横45.5×縦41.0mm、10気圧防水。39万6000円。
◆ユンハンスの詳しい商品情報についてはコチラ!
問い合わせ=ユーロパッション Tel.03-5295-0411文=名畑政治 写真=近藤正一(ENGINE 2023年1月号)
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