2022.12.13

LIFESTYLE

ワインの世界的コンテストに挑んだアフリカ難民たち、その結果はいかに? 胸を熱くするドキュメント「チーム・ジンバブエのソムリエたち」

チーム・ジンバブエの面々。奮闘の結果はいかに?

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世界的なワインのブラインド・テイスティング大会に挑んだジンバブエの難民たち。ソムリエとして第2の人生を歩み始めた、勇気ある男4人の本当にあった物語。

ワインとは縁もゆかりもない国から……

フランス・ブルゴーニュで開催される『世界ブラインドワイン・テイスティング選手権』。その名のとおりブラインドで、赤白12本のワインのぶどう品種や収穫年、銘柄などを当てる国際大会だ。2017年は、欧米各国の強豪チームが例年通り参加したが、その中にワインとは縁もゆかりもないはずのアフリカ・ジンバブエ共和国の面々が……。『チーム・ジンバブエのソムリエたち』は、この大会に初参加した4人の男たちの姿を捉えたドキュメンタリー。彼らはいずれも、2008年の経済危機の際に母国を離れ、隣国南アフリカでソムリエとしての人生を見つけた難民たちだ。異色の経歴が著名なワイン・ジャーナリストの目に止まり、彼女のサポートのもと、クラウドファンディングで、ブルゴーニュ行きの切符を手に入れたのである。



それぞれが南アフリカの有名レストランに勤めてはいるものの、大会経験はなく、多様なワインを飲む機会も限られている。フランス人コーチを雇い入れ、いざ大会に臨んだ4人の奮闘ぶりが見ものだが、最後に印象に残るのはその前向きな姿。命がけで国境を越えてきた壮絶な体験が言葉の端々から伝わってくるが、そんな苦難を跳ね返し、ワインで己の人生を切り開いていく勇気ある姿に声援を送りたくなることだろう。

『チーム・ジンバブエのソムリエたち』 
南部アフリカの内陸部に位置し、国土の広さは日本とほぼ同じのジンバブエ共和国。2008年の経済危機の際には、年間インフレ率が2億パーセントを超え、生活必需品すら入手が困難になった。本作に登場する4人が、南アフリカに逃れたのはこの頃。母国に送金するため、レストランで働き始めたことから、ワインの世界を知るようになったという。ちなみにジンバブエ共和国ではワインの生産はもちろん、消費もほぼゼロ。大会に参加した24チーム中、彼らが何位になったのかは映画でのお楽しみ。96分。

12月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国ロードショー 配給:アルバトロス・フィルム

文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE 2023年1月号)

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