2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! パフォーマンスを突き詰めつつ、手の届かない価格になっていないところがいい! シボレー・コルベットに乗った斎藤聡さん、森口将之さん、竹岡圭さんの3人は、思わず叫んだ!
アメリカン・スポーツの進化形
シャープで攻撃的なエクステリア、ミッドシップ・レイアウト、コクピット感満載のインテリア。パワー・スペックもV8 6.2リッターから502ps/637Nmを発揮する。どう考えても不用意に手を出しちゃいけないクルマの一台……に見える。実際のところ無造作にアクセレレーターを深く踏み込むととんでもないことになるのだが、丁寧な操作さえ心がければ、じつはいたって平和にドライブができる。エンジンはやたらに力があるのだが、応答はシビア過ぎず、アクセレレーター・ペダルの微細な動きに寛容だ。操縦性も素直。ミッドシップなのに思いのほか前輪の接地感があり、実際ステアリングを切り出すと接地感のある手応えそのままにスイーッと鼻先が向きを変えてくれる。あえてシャープさを出し過ぎないことで乗り易く仕立てている、そんな作り手の意図を感じる。コルベットは、ミッドシップ化したからと言ってフェラーリやランボルギーニになろうとしたわけではなく、あくまでもアメリカンV8の強大なパワーとトルクをもっとも合理的な形で実現したアメリカン・スポーツの進化形なのである。(斎藤聡)
本気のハンバーガー
コルベットはハンバーガーだと思う。侮っているわけではない。スーパー・スポーツでありながら、手軽に扱え気軽に乗れるという意味でのハンバーガーだ。もちろんそれは、日本のファストフードのそれとは違う。本気のハンバーガーだ。ミドシップにした理由の1つに、ル・マン24時間レースの勝利があるという。その結果、メーカーは違うけれど、かつてのフォードGT40に近い成り立ちになった。プッシュロッドのV8を低い位置に縦置きしたことによる重量バランスの良さが、ペースを上げていくにつれドライバーに伝わってくる。4輪のグリップの状況がとにかくわかりやすいし、なによりも理想的な重量配分という事実が安心感につながる。でも最初に書いたように、コルベットは飛ばさなくても良さが味わえる。BOSEのサウンド・システムがこれほど似合うスポーツカーはないはず。インテリアは戦闘的にならず、乗り心地も普段使いが可能なほど快適だ。パフォーマンスを突き詰めつつ、手の届かない価格になっていないところもまたハンバーガーである。(森口将之)
エヴァンゲリオンみたい
いかにも! というヤンチャなスタイルが、これほど似合うクルマもなかなかないですよね~。いつの時代も男の子が好きそうな、なんとなく懐かしのオモチャ、超合金なんかを彷彿とさせるデザインと立ち位置なんですよね。そんな先入観も手伝ってか、これまでは「ちょっと貸して~」と、遊び慣れない超合金を借りたような感じを、乗るたびに感じていたんです。ところが、ミッドシップ・レイアウトになったりと、根底からクルマがガラリと変わった現行モデル。当然のごとく、走り味もガラリと変わりまして、平たい言葉で言うとメチャクチャ乗りやすくなったんです。手に持って遊ぶ超合金から、中に乗り込むモビルスーツ、いや一体化するエヴァンゲリオンにまで進化したような操りやすさがありました。しかも、クルマ側から歩み寄ってきてくれた感じで、この乗りやすさなら、どうしたって男の子とは筋力の差がある、女の子でも操れそうな感じと言えばいいでしょうか。立ち位置的には、スーパーカーに一歩近づいた感もありますが、いつまでも身近な存在でいて欲しい1台ですね。(竹岡圭)
写真=茂呂幸正/神村聖/小林俊樹/郡大二郎
◆続々公開中! エンジン大試乗会に集合した2023年注目の輸入車38台に試乗したモータージャーナリスト40人の声!!
(ENGINE2023年4月号)
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