2023.03.28

CARS

「これほどの乗り心地がこの世に存在したとは!」 デザイン、インテリア、パワートレイン、すべてが信じられない高みにある これがレンジローバーSVに試乗したモータージャーナリストの生の声だ!!

レンジローバーSV P530

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! オラオラ顔とは無縁! これぞラグジュアリーの極み! レンジローバーSVに乗って、清水草一さん、森口将之さん、岡崎五朗さんの3人が思わず叫んだ!

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高級車の皇帝陛下

今度のレンジローバーはものすごい、と思っている。空前絶後と言ってもいい。このデザイン、このインテリア、このパワートレイン、すべてが信じられない高みにある。そしてそして、この乗り心地。これほどの乗り心地がこの世に存在したのか! というくらいのものだ。走れば走るほど癒されて、疲れが取れるのではないだろうか。高級車にもいろいろあるが、とりあえず現時点では、レンジローバーが高級車の皇帝陛下ではないか。このクルマがこの世の頂点に君臨しているのではないか。これより上を考える必要は皆無ではなかろうか。そんな思いを抱かずにはいられない。今回試乗したのはSVだが、よりベーシックなグレードでも、頂点感は微塵も変わらない。パワートレインにはガソリンの4.4リッター V8と、ディーゼルの3リッター直6+マイルド・ハイブリッドがあるけれど、どちらもすさまじく高級で、どちらも頂点としか言いようがない。あえて細かいことを書き連ねる気にならないほど、このクルマは天上界である。(清水草一)

デジタル化は進んでいるが、それを強く意識させない所がいかにもイギリス的。試乗車はハクバ・シルバーとキャラウェイ・インテリアという内外装の組み合わせ。


頂点を味わっておくべき!


シルバーのボディにカッパーの差し色を入れたエクステリア、フロントとリアでシートの色を変えたインテリアなど、けっこう大胆な仕立てなのに嫌味がない。さすが英国、ノーブルなたたずまいに魅了される。コックピットまわりはデジタル化が進んだものの、独特の様式美はそのまま。テールゲートも初代以来の上下2分割を継承。オラオラ顔とは無縁の顔、繊細なリア・コンビ・ランプなど、半世紀以上にわたる伝統を今に伝える所作がまた嬉しい。そう、数あるSUVの中からレンジローバーを選びたくなるのは、ブレがないからだ。それは走りにも言える。今や貴重な非電動V8ターボ・エンジンはしずしずと巨体を移動させ、エア・サスペンションがもたらす乗り心地は砂漠のロールス・ロイスというフレーズを思い出す。それでいてドライブ・モードを切り替えれば、箱根の山道を涼しい顔してこなしていく。2500万円以上というプライスに手が届く人は限られるだろう。でもここまでSUVが溢れる世の中だからこそ、頂点を味わっておくことは大切だと痛感した。(森口将之)



とにかくエクスクルーシブ

レンジローバーSVは、スペシャル・モデルを手掛けるSVO(スペシャル・ヴィークル・オペレーションズ)部門によるもの。その個性とセンスの高さは脱帽もので、誇張抜きにベントレーやロールス・ロイス並みのオーラを感じる。素材も仕上げもデザインもとにかくケタ外れに貴族的で、セラミック素材の室内パーツに至っては平民の僕ごときにはそのよさがさっぱり理解できなかった。そしてこのクルマを語るのに、忘れてはいけないのがベース車のもつポテンシャル。いかにSVOが頑張ったとしても元がそれなりならSVもそれなりになってしまう。その点、頭のてっぺんからつま先まで、いや走りの優秀さを含めれば骨の髄から毛先までと言うべきか、とにかくエクスクルーシブなのだ。それを象徴するのがちょっと信じられないほどのフラッシュ・サーフェイス性。これだけのモノを量産するには極めて高度な生産技術が必要だ。逆に言えば、世界トップクラスの生産技術を手の内化しているからこそ、デザイナーの思い描く姿形を具現化できたということ。レクサスにもこういう世界を目指して欲しい。(岡崎五朗)

写真=郡 大二郎/茂呂幸正/神村聖/小林俊樹

(ENGINE2023年4月号)

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