2023.04.01

CARS

ランボルギーニが本格的な電動化モデルの第1弾、12気筒のPHEV「レヴエルト」を発表

ランボルギーニはアヴェンタドールの後継車となる新型12気筒ミドシップ・スーパースポーツカーを正式発表した。その車名は「レヴエルト」(Revuelto)。過去に誕生した多くのランボルギーニ車がそうであったように、このレヴエルトもまた闘牛史にその名を残す屈強なファイティング・ブル(闘牛)に由来する名前を与えられてのデビューとなった。

ドアはもちろん上開き

エクステリア・デザインはここ最近ランボルギーニが提案してきたデザイン・コンセプトのDNAを継承したものだ。クンタッチ(カウンタック)のプロト・タイプである「LP500」をはじめ過去の12気筒モデルのイメージを巧みに取り込みながら、未来のランボルギーニを見据えた前衛的なデザインをチェントロ・スティーレのチーフ・スタイリスト、ミィティア・ボルケルトとそのチームは見事に具現化してみせた。フロント・ノーズをはじめ、内外装の至るところにY字型のデザインを採り入れているのも大きな特徴。ドアはクンタッチから連綿と受け継がれる上開きのシザー・タイプで、リアには可変式のスポイラーが備わる。



ゴルフバックが積める

インテリアでもY字型のデザインを積極的に活用している。ドライバー側に12.3インチ、助手席側には9.1インチサイズのディスプレイを持つレヴエルトのインパネはランボルギーニ初となるスワイプ機能を搭載。スマートフォンと同じような直感的な手の動きで、アプリケーションや情報をセンターディスプレイから助手席側のディスプレイに移動させることもできる。

キャビンはアヴェンタドールの最終モデルである「ウルティマエ」よりさらに快適性が強まったが、これは実際に足元のスペースが84mm、ヘッド・スペースが26mm高く得られていることが直接の理由。シート背後のラゲッジ・スペースにはゴルフバッグさえ収納することができるという。



新成型のカーボン・モノコックを採用

この快適な空間と圧倒的な剛性を驚くほどの軽量性で実現したのが、レヴエルトの基本構造体となるシャシー、「モノフセレージ」だ。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で成型された環状の一体型のロッカーリングを核に、これにタブやフロントのファイアーウォール、Aピラーなどのフォージド・コンポジッド素材によるパーツを接合していく製法を採用。さらに、フロント・フレームにフォージド・コンポジッド素材(短繊維カーボンファイバーに樹脂を含浸させた後、加熱、圧縮して成型する)製にするなどにより、アヴェンタドールのモノコックより10%軽く、同様の比較で25%も強靭なねじり剛性を得ることに成功している。



ランボ史上最軽量のV12を搭載

注目のパワートレーンには6.5リッターV型12気筒エンジンに、3基のエレクトリック・モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッドを採用。V12エンジンはランボルギーニ史上最も強力で、そしてまた軽量。単体重量の218kgはアヴェンタドール用のそれと比較して17kg軽い。レブリミットは9500rpm。最高出力825ps/9250rpm、最大トルク725Nm/6750rpmを発生するだけでなく、そのサウンドもまた官能的な響きを奏でるものだという。



エンジン+3モーターで1015psを発生

このエンジンともにレヴエルトに駆動力をもたらすのが、フロントアクスルの左右に各々1個、デュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)内に配置される1個の、合計3個のエレクトリック・モーターだ。こちらの最大トルクはフロント側が各々350Nm、リア側は150Nmで、最高出力はいずれも約150ps。システム全体の最高出力は1015psと驚異的な数字になる。モーターのみでの走行も可能だ。バッテリーはセンター・トンネル内にレイアウトされる。容量は3.8kWhで、家庭用電源からなら約30分でフル充電ができるほか、回生ブレーキやV12エンジンからの直接充電ならばわずか6分でそれは完了する。

創立60周年という年を、新型12気筒ミッドシップのデビューという最大級のニュースで自ら祝うことになったランボルギーニ。ライバルにとっても、このレヴエルトの存在はけして軽視できるものではないだろう。



文=山崎元裕

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement