2023.03.15

CARS

1015psのV12プラグイン・ハイブリッドを搭載 発表直前のランボルギーニの新型車に迫る

ランボルギーニが3月末に発表する、クンタッチ(カウンタック)、ディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールの流れを汲む新しいフラッグシップ・スーパースポーツカーのメカニズムに関する情報を公開した。

コードネームは「LB744」

車名は正式発表時に公表されるため、現在は「LB744」というコードネームで呼ばれる新型車について今回情報が明らかになったのはパワートレイン。新しいフラッグシップに搭載されたのは新開発のV型12気筒自然吸気。歴代モデル同様にリア・ミドシップにマウントされる。



前2つ、後ろ1つの3モーター

トピックはすでに公言されていた通り、フロント2基、リア1基の電気モーターが組み合わされ、プラグイン・ハイブリッド・システム(PHEV)が採用されたことだ。ちなみに、このランボルギーニ初のPHEVスーパースポーツをランボルギーニは「ハイパフォーマンスEV」、略して「HPEV」と呼ぶ。トランスミッションはランボルギーニのV12モデルでは初となるデュアルクラッチ式自動MT(DCT)で、エンジン後方に横置きされる。これまでギアボックスが配置されていたエンジン前方のセンター・トンネル内にはリチウムイオン・バッテリーが収まっている。



6.5リッターで825ps

L545型6.5リッターV12ユニットは単体重量がアヴェンタドール比で17kg軽い218kgで、9500rpmまで回り、最高出力825ps/9250rpm、最大トルク725Nm/6750rpmを発生する。これはランボルギーニV12史上最軽量にして最強だという。吸気系を見直し、圧縮比は従来型V12の11.8:1から12.6:1へと引き上げられている。

自社開発したDCTは湿式クラッチの8段で、偶数と奇数のギアに対応する2軸式を採用することで、DCTでは一般的な3軸式よりも重量とサイズを削減。ウラカンの7段DCTより軽く、変速スピードも速い。パドルを引き続ければ連続ダウンシフトも可能だ。

後輪用のモーターはギアボックスの上方に置かれ、走行モードや状況に応じて後輪へ駆動力を送るほか、スターターとジェネレーターも兼務する。出力は150ps(110kW)/150Nmで、重量は193kg。



電動走行も可能

前輪はエンジンとは切り離され完全に電動化。左右各1輪ずつにモーターが設置され、モーター1つ当たりの出力は150ps(110kW)/350Nm。後進、いわゆるバック走行はこのフロント・モーターで行う。さらに、前進、後退ともにリア・モーターを併用できるため、ゼロ・エミッションでの前輪もしくは4輪駆動走行を可能としている。そして、このシステム全体での最高出力はじつに1015psに達するという。

駆動用バッテリーの容量は3.8kWh。家庭用電源などの外部充電に対応し、最大7kWのEV用充電器では30分でフルチャージできる。さらに、フロント・モーターを用いたエネルギー回生や、エンジンからの直接充電は6分で完了する。

これらのレイアウトによりホイールベースを伸ばすことなくハイブリッド・システムを搭載し、重量配分の最適化を実現したLB744。ランボルギーニ設立60周年を祝うに相応しいモデルになるのは間違いないだろう。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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