2023.05.01

CARS

「ステアリングの初期応答は穏やかで、切り増していけばしっかり曲がるフランス味!」 これが「DS9 E-テンス」に試乗したジャーナリストの生の声だ!

DS9 E-テンス

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! カメラで路面を読み取り、ダンパーの減衰力をアクティブに可変するハイテクも装備! DS9に乗った清水和夫さん、大井貴之さんの2人は、思わず叫んだ!

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ビロードの絨毯みたいな乗り心地

実はDS9に乗るのは今回が初めて。シトロエンから独立したDSブランドのトップ・バッターであるDS7 に乗った時には、本当に驚いた。乗り心地の面では天才的なテクノロジーを駆使し、宇宙一の快適性を実現していたからだ。そのDSシリーズの3作目となるDS9はさらに進化し、今回試乗した西湘バイパスではビロードの絨毯を敷き詰めたような乗り心地だった。路面のつなぎ目など無いかのように「スタスタ」といなす。段差は週刊誌を踏んづけたようなマイルドなショック。その秘密は往年の名車「シトロエンDS」が備えていたハイドロ・ニューマティック・サスペンション(油圧と空気バネの組み合わせ)に由来すると聞くと、納得できる。しかもDS9はカメラで路面を読み取り、ダンパーの減衰力をアクティブに可変するハイテクも装備する。そう、メルセデスS クラスやアウディA8にも採用されている技術だ。1.6リッターターボに8速トルコンATを組み合わせているが、パワートレーンの存在など忘れてしまうほど、キャビンは静かだった。「これはEVでござる」と言われると納得してしまいそうだ。(清水和夫)

フラッグシップ・サルーンにふさわしいラグジュアリー感にあふれたDS9の室内。ダッシュボード、ステアリング・ホイール、シートなど、“アールルビィ”と名づけられた赤茶色で仕立てられる。

ハンドリングもフランス味

ルーブルのガラスの四角錐をモチーフとしたというデザインが見事。この手のクルマは何処かで息切れを感じることが多い。特に大型モニターの採用によって雰囲気が台無しになってしまうこともあるが、DSは内外装ともにアール・デコと最新テクノロジーが見事に調和している。サイズ的にはメルセデスEクラス、BMWなら5シリーズが競合となるわけだが、DS9はまるっきり独自路線と感じる。しかし、この雰囲気に1.6リッターの直4ターボでは、エンジン始動の瞬間に雰囲気ぶち壊しではないかと心配したが、遮音は完璧。試乗車はPHEVのE-TENSEであったこともあり、小排気量であることを感じることはない。シトロエンDSの味を意識していると思われる乗り心地もなかなか。そのテイストが崩れないターンパイクでのハンドリングが気に入った。ステアリングの初期応答は穏やかで、切り増していけばしっかり曲がるフランス味。デザイン最優先のスイッチ類は判別に慣れが必要。奇妙なデザインのメーターも視認性という点ではちっとも良くないが、このクルマには似合っている。(大井貴之)

シートはヒーターやマッサージ機能を備える。

写真=小林俊樹/神村聖/茂呂幸正/郡大二郎

(ENGINE2023年4月号)

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