2023.05.15

CARS

「しずしずと発進していくときの静けさと厳かさは、このブランドにふさわしい!」 これが「ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド」に試乗したジャーナリストの生の声だ!

ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! 0-100km /h加速は4.3秒、システム出力は544psと750Nmを誇る! ベントレー・フライングスパー・ハイブリッドに乗った高平高輝さん、森口将之さんの2人は、思わず叫んだ!

感心するほどの完成度

あのベントレーも電動化に一直線である。昨年は世界で1万5000台以上を販売したというから(その4割強がSUVのベンテイガという)、もう特別な少量生産モデルだからとしてお目こぼししてもらえるような規模ではない。フライングスパー・ハイブリッドはベンテイガに続く電動化モデルだが、実際には外部充電可能なプラグイン・ハイブリッドで、容量14.1kWhのリチウムイオン電池を搭載し40km以上のEV走行が可能という。エンジンは2.9リッター V6ツインターボで、それに136psと400Nmを生み出すモーターが加わりシステム出力は544psと750Nmを誇るが、この数値は4リッター V8ツインターボ・モデルとほとんど同じ。実際パフォーマンスも0-100km /h加速4.3秒と、4.1秒のV8フライングスパーに見劣りしない。通常走行時にはできるだけモーターで走る設定のようで当然きわめて静粛。電動とエンジンの切り替えも感じ取れないぐらい滑らかだ。全開加速時にはV8にはない固有のビートが感じ取れるが、決してラフなものではなく、むしろスポーティーな雰囲気。感心するほどの完成度である。(高平高輝)



並々ならぬ存在

ベントレーがハイブリッド? と最初は思ったけれど、モーターだけでしずしずと発進していくときの静けさと厳かさは、自分たちからは遠い場所に棲むこのブランドにふさわしいと思った。それでいて郊外に出ればエンジンの推進力を堪能できる。ウィークエンドはオーナーがステアリングを握るという立ち位置だからこそ、プラグイン・ハイブリッドは理に叶っていると思った。試乗車のカラー・コーディネートはトラディショナルで、伝統に裏打ちされた仕立てがストレートに染み入ってきた。インパネ上面が一枚モノなのはさすがだし、手仕事であることを伝えるスティッチも好ましい。ウィークデイにオーナーが過ごす場所になるリア・シートは、足が楽に組めるうえに、ヘッド・レストがフロントと違ってふっかりしていて、前後の座席の役目の違いをこちらが教えられる結果になった。 時代に的確にアジャストしつつ、ベントレーというブランドを無理せず違和感なく表現していることを知って、やはり並々ならぬ存在であると認識した。(森口将之)

先行して登場したコンチネンタルGT同様、3連メーターとタッチ・スクリーンを切り替える回転式ユニットを備える。

写真=神村聖/郡大二郎/茂呂幸正/小林俊樹

(ENGINE2023年4月号)

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