2023.05.13

CARS

ロータリーからステアリング・ホイールが無いMX-81まで マツダのオートモビルカウンシルは話題満載

マツダが幕張メッセで開催されたオートモビルカウンシル2023に出展。話題の新型ロータリー・エンジン搭載車などを展示した。

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ロータリー・エンジンにフューチャー

7回目のオートモビルカウンシルとなる今回の出展テーマは「ロータリー・エンジンの可能性の追求と新しい価値への挑戦」。1967年の量産開始から半世紀以上にわたるロータリー・エンジンへのチャレンジの成果をたどる内容となっていた。



主役は「MX-30 e-スカイアクティブR-EV」

その主役は日本初公開となる「MX-30 e-スカイアクティブR-EV」。年初にブリュッセル・モーターショーで公開したモデルで、発電用ロータリー・エンジンを搭載したシリーズ式のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。実車と合わせてパワー・ユニットのカット・モデルも登場し、ロータリーならではのコンパクトなユニットを活かしたメカニカル・レイアウトが実感できるディスプレイとなっていた。車両は欧州仕様だったが、日本導入への期待も高まる。

また、MX-30以外にも2台のロータリー・モデルを展示。1台は水素燃料のロータリーを搭載した「RX-8ハイドロジェンRE」。ロータリー・エンジンが持つマルチフューエルへの順応性を利して、燃料多様性に挑んだモデルである。トヨタが耐久レースで走らせているGRカローラ同様、水素を直接燃料として使用している。水素燃料使用の可能性を探ったマツダの取り組みは現代において再注目する価値がある。今回は2013年に試作したデミオがベースのレンジエクステンダー用の水素ロータリー・ユニットも展示され、新たなかたちの活用法が広がることを想像せずにはいられなかった。

もう1台は懐かしの「コスモAP」も来場したファンの目を楽しませた。ロータリーとレシプロが設定された2代目コスモだが、13B型のロータリー・エンジンはコスモAP以前よりも約40%の燃費改善を果たすなど、「アンチ・ポリューション」、すなわち公害対策を意味する車名の末尾について「AP」も文字に恥じない内容となっていた。スタイリッシュなデザインやパワフルな走りもあってヒット作となったモデルである。



42年前のショー・カーが登場

こちらはロータリー搭載車ではないものの、今回大きな注目を集めていたのが1981年の東京モーターショーで発表されたコンセプト・カー、「MX-81」だ。MX-30を出展するにあたり、マツダで初めて「MX」を車名に掲げたモデルとして今回展示されたという。MX-81は当時の10年後、つまり1990年代の「ファミリア」を模索したショー・モデルで、1989年登場の「ファミリア・アスティナ」を思わせるフォルムやリトラクタブル・ヘッドライトを備えている。

しかし、注目はスタイリングだけではないのだ。なんとこのクルマにはステアリング・ホイールが存在しない。タイヤの転舵はメーター・ナセルのまわりに配されたキャタピラのようなものを回すことで行うのだ。そのほかにも、現代の液晶パネル・メーターに繋がるブラウン管式メーターを採用するなど、新しいチャレンジに溢れたクルマだった。

自社の伝統を尊重しつつ新たな時代の潮流にも対応した、マツダのクルマづくりの歴史を再確認させる展示だった。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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