2023.05.16

CARS

ポルシェ718スパイダーRSの受注開始 911GT3に迫る500psの自然吸気を搭載

ポルシェがミドシップ・スポーツカー「718」のオープン・モデルである「スパイダー」に最強仕様となる「RS」を設定。日本での予約受注を開始した。

カーボンを多用したエクステリア

フロントまわりの意匠はクーペ・ボディを持つ「718ケイマン」の最強モデルである「GT4RS」とほぼ同じで、NACAダクトを持つカーボンFRP製ボンネットや、上部に幅広いエア・アウトレットを備えたバンパーを装着。リップ・スポイラーはやや短くなっているが、これはGT4RSがリアに大きなウイングが備わるのに対し、スパイダーRSはウイングを持たないダックテール形状に変更されているため、リアとの空力バランスを考慮した結果だ。ヘッドレスト背後の両サイドには、カーボン製のプロセス・エア・インレットを設置。ステンレスのスポーツ・エグゾースト・システムとともに、エンジン・サウンドを高めるのに寄与する。



軽量タイプの幌で車重を軽減

車両重量削減のため、ソフトトップは手動式の軽量タイプを採用。ビミニトップ(日除け)として使用できるシングル・レイヤーのサンセイルと、キャビン後方に設置するウェザー・ディフレクターとの2ピース構造で、718スパイダー用よりも7.6kg、718ボクスター用より16.5kg軽い。ほかのモデルよりも薄手なこともあって、クローズド時でもエンジン・サウンドを楽しめるという。さらに、完全に取り外せば8kgの削減が可能だ。

インテリアはカーボン製のシェルにレザーとパーフォレート加工が施されたスウェード調の表皮を張ったフル・バケットシートを装着。ヘッドレストには車名ロゴが刺繍される。ステアリング・ホイールもスウェード調素材が巻かれ、12時位置に黄色いマークが入る。



自然吸気の4.0リッター・フラット6

エンジンは718ケイマンGT4RSと同じ自然吸気の4.0リッター・フラット6で、最高出力は500ps、最大トルクは450Nmを発生。トランスミッションはクロスレシオ化したデュアルクラッチ式7段自動MT(DCT)を搭載する。車両重量は1410kgで、既存の718スパイダーより40kg、718ケイマンGT4RSより5kg軽い。

加速性能は0-100km/hが718スパイダーより0.5秒速い3.4秒、0-200km/hが10.9秒。最高速度は308km/hで、これは718スパイダーより8km/h高い数値だ。



シャシーも専用チューニング

サスペンションは30mmローダウンしたスポーツチューン版のアダプティブ・サスペンションに、718ケイマンGT4RSより柔らかめのスプリング採用。また、サスペンション・ベアリングはボールジョイント式となる。車高やスタビライザー、キャンバー、トレッドは個別で調整可能。ホイールは20インチの鍛造アルミ製で、ハンドリングを向上させるべく、機械式LSDとトルク・ベクタリング機構も装備する。

ボディカラーはソリッド4色、メタリック3色を設定。ハンドル位置は左右とも選べる。オプションで鍛造マグネシウム・ホイールやチタン製エグゾースト・システムなどを含む「ヴァイザッハ・パッケージ」や、車両購入者のみに販売されるポルシェデザイン製のクロノグラフなどが用意されている。

価格は2024万円。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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