2023.07.04

CARS

見る角度で色が変わるグリルが気になる ルノーから新しSUVクーペ「ラファール」登場

ルノーが新型SUVとなる「ラファール」を本国で発表した。ルノーとしては初となるDセグメント・サイズのSUVクーペだ。

名前の由来は往年の戦闘機

戦闘機の名称にも使われるラファールとは疾風や突風を意味するフランス語。1934年に1機のみが生産され、445km/hの飛行速度を記録した「コードロン-ルノー・ラファール」に着想を得たネーミングでもある。



アルカナの兄貴分

エクステリアは2022年に発表されたコンセプト・カーの「ルノー・セニック・ヴィジョン」で示された新しいデザイン言語に基づいたもので、角張ったライトや彫りの深い直線的なプレスラインによりシャープな印象を与えている。

フロント・グリルはルノーのエンブレムを思わせるダイヤモンド・パターンが鱗のように並び、角度によって異なった色に見える視覚的トリックが用いられている。デイタイム・ライトも変形した菱形を組み合わせたデザインだ。テールライトは三角形や四角形を組み合わせて絵柄を作るタングラムパズルにヒントを得たもの。17度の角度に設定されたリア・ウインドウは空力効率に優れ、リア・ワイパーを不要にした。



新機軸の可変透過率ルーフを採用

「ソーラーベイ」と呼ばれるガラスルーフは9分割したエリアの光の透過率を個別に調整できる。この技術が自動車に採用されるのはこのラファールが初だという。また、ボディ・カラーにアルピーヌブルーを採用するのもルノー・ブランドでは初めてだ。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4710×1860×1610mm、ホイールベースは最新型で本格的なSUVへと生まれ変わった新型ルノー・エスパスと同じ2740mm。全高は低めだが180mmの最低地上高を確保している。



2つの画面をL字型に組み合わせる

コクピットまわりは、12.3インチのメーター画面と12インチの縦型センター画面をL字型の様に設置。さらに、航空機の名を持つクルマにふさわしく、9.3インチの大型ヘッドアップ・ディスプレイも装着された。シフト・セレクターはコラムレバー式で、広くなったセンターコンソール上にはワイヤレス充電器などを配置する。

シート表皮には再生素材が61%を占めるアルカンターラを初採用。「エスプリ・アルピーヌ」仕様のフロント・シートにはトリコロールのステッチとバックライト式のアルピーヌ・ロゴが入る。このロゴはドライバーが車両に接近すると脈動するように点滅するギミックも盛り込まれている。また、後席中央のアームレストは2口のUSBポートや展開式のディスプレイ・スタンドを備え、スマートフォンやタブレットの使い勝手を高めた。

室内は長いホイールベースを広いスペースを構築。後席の膝まわりの広さは302mm。サンシェードが不要なソーラーベイにより30mm広く取れるようになったヘッドルームは880mmで、クーペ風のルーフラインでありながらエスパスの892mmに迫るほどの余裕を実現した。ラゲッジスペースは647リッターという大容量を誇る。



進化版のE-テック・ハイブリッドを搭載

プラットフォームは日産や三菱とのアライアンスで共用する「CMF-CD」の最新世代で、トレッドはエスパスより4cm拡幅されているうえに、20インチ・タイヤを装着する。しかし、メガーヌで定評ある4輪操舵システムの発展版を搭載することで、コンパクトカー並みの10.4mという回転直径を実現した。

パワートレインはシステム総合出力200psを発生する新開発のフル・ハイブリッド。アルカナやルーテシアに採用されているE-テック・ハイブリッドと同じ機構だが、エンジンは1.6リッター直4から130ps/205Nmの1.2リッター直3ターボに変更されている。これに、70ps/205Nmの駆動用モーターと34ps/50Nmの高電圧スターター&ジェネレーターを内蔵したクラッチレスのドグ・ミッションが組み合わされる。電池は2kWh/400Vのリチウムイオン電池。システム全体での航続距離は最大1100kmに達するという。もちろんEV走行も可能だ。さらにリア・モーターを追加し、総合出力300psの4WD仕様も開発中であることが公表されている。

欧州市場での発売は2024年春となる予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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