2023.07.24

LIFESTYLE

トム・クルーズがまたも命がけのスタントを披露! 黄色いフィアット500も登場 『ミッション:インポッシブル』最新作に人々が心揺さぶられる理由

これぞノンストップアクション!

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トム・クルーズの人気スパイ・アクションが5年ぶりに登場。人類の脅威となる見えない兵器を探し求めて、世界を舞台にしたヒーロー、イーサン・ハントの壮絶な追跡劇が幕を開ける。

1200mの断崖絶壁からジャンプ

高さ1200mの断崖絶壁が切り立つノルウェー南部のHELSETKOPEN山。山の中腹に設けられた全長203m、幅3m、高さ10mの傾斜台を、男がホンダのバイクCRF250で疾走し、渓谷に向かってジャンプする。宙空でバイクを手放した彼は、そのまま谷底へと落下していき……。

昨年、本編に先駆けて公開された、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のメイキング映像に、度肝を抜かれた人は多いことだろう。ひとつ間違えれば大惨事になりかねない命がけのスタント。それをこなしたのが、主演のトム・クルーズ本人だったからである。



前作『トップガン マーヴェリック』では、時速約1000kmで飛行する戦闘機内での撮影を敢行し、観客の心を鷲掴みにしたトム・クルーズ。この作品の全世界での興行収入は14億ドル(約1922億円)を超え、本国のアカデミー賞では、まさかの作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。

初の2部構成となる人気スパイ・シリーズの第7弾では、お馴染みイーサン・ハントをはじめとするIMFのエージェントが、かつてなく厄介なミッションを突きつけられる。彼らが見つけ出さなければならないのは、全人類を脅かす謎の兵器。それはどんなコンピューターをも自在に操ることのできる、優れた人口知能のようなものだった。

ローマ市内のカーチェイス

パート1だけで2時間43分という長尺で、入り組んだ物語も決して分かりやすいものではない。だが本作には、主人公たちと一緒に出口の見えない迷宮にはまりこんだような謎解きの面白さがあるうえ、全編が走り出したら止まらないチェイス・シーンで構成されていて、片時も飽きさせることがない。

前半の見せ場は、女性と手錠でつながれたイーサンが、片手でハンドルを握りながら追っ手をかわしていくローマでのカーチェイスだ。最初に乗り込んだのはBMWのM5コンペティション。だが大破したクルマを乗り捨てて、次に乗り込んだのはフェラーリ、ではなくその裏に隠れていたフィアット500……。そして後半の闘いの舞台は暴走する機関車。疾走する列車の上での死闘の後には、さらなる仰天クライマックスが待ち受けている。



かつてのジーン・ケリーやジャッキー・チェンがそうであったように、トム・クルーズも自身の肉体を酷使しながら、限界ぎりぎりのアクションに挑んでいる。そこから生まれる臨場感、迫力に人々は驚嘆し、そして心揺さぶられるのだろう。CGIに依存しきった、昨今の大作映画にはない興奮を再度、思い起させてくれる今年屈指の娯楽作品だ。

■人気シリーズの7作目となる『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』。タイトルにある“デッドレコニング”とは、これまでの移動経路や距離から現在の位置情報を割り出し、航行を進めていく航海用語。主人公イーサン・ハントの過去や未来を暗示する、意味深な言葉だ。監督は『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』でもトム・クルーズとタグを組んだクリストファー・マッカリー。163分。配給:東和ピクチャーズ。全国公開中 (C)2023 PARAMOUNT PICTURES

文=永野正雄(エンジン編集部)

(ENGINE2023年9-10月号)

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