2023.09.09

CARS

往年の名車、「アルファ・ロメオ33」が復活 イタリアの雄が再びミドシップのスポーツカーを発表

アルファ・ロメオが、往年の名車である「アルファ・ロメオ33」をモチーフにしたカスタム・モデルの「アルファ・ロメオ33ストラダーレ」を発表した。

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カロッツェリア・トゥーリングが製作

アルファ・ロメオ33ストラダーレは、「フォーリセリエ」と呼ばれる少量生産のカスタム仕様車と位置付けられ、台数限定の33台がカロッツェリア・トゥーリング・スーペルレッジェーラによって手作業で仕上げられる。



オリジナルの意匠を盛り込む

アルファ・ロメオ33はレース・カーであるティーポ33/2のシャシーをベースに1967年に発表した市販スポーツカーで、エクステリアはその元祖のデザインを再解釈したものだ。低く配置された4灯レイアウトのヘッドライトはオリジナル・モデルの独特なデザインを彷彿させる。

甲虫の前羽を意味する「エリトラ」と呼ばれるドアも初代が市販車で初めて採用したバタフライ・ドア形式を踏襲したもの。ドア上部はサンルーフを形成し、キャノピーに覆われた航空機のコクピットのような感覚を乗員に味わわせる。サイド・インテークからリアへは太いパイプを通したような造形でその後端に円形テールライトが据え付けられる。

リア・エンドはスッパリと断ち落とされたカムテール形状で、リア・フード後端はテールライト上部から中央へV字を描く。なお、前後ともフードはフェンダーごと大きく開くアリゲーター式だ。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4637×1966×1226mm、ホイールベースは2700mm。



シンプルなインテリア


インテリアは非常にシンプルで送風口をダッシュボードの造形で隠すなどしたクリーンなデザイン。ステアリング・ホイールもボタン類などを持たないシンプルなもので、クラシックなレザーとアルミトリムのトリブート仕様と、アルカンターラとカーボントリムのアルファ・コルセ仕様が選択できる。このふたつのテーマは内装の各部に適用される。

メーターパネルはテレスコープと呼ばれる双眼鏡のような2眼メーターと中央の情報ディスプレイで構成される。センターコンソールは上部にディスプレイ、下部に最低限の機械式スイッチを配置。頭上にもスイッチ類を収めたコンソールが設置される。

シートは6ウェイ電動調整式でランバー・サポートのポジションは4つ。サイド・リブの入った表皮やドア・パネルやサイド・シルにも同じ素材を使うのはオリジナル33ストラダーレにヒントを得てたものだ。



車両重量は1500kg以下


シャシーはカーボン製モノコックとアルミ製Hフレームで構成され、車両重量は1500kg以下。サスペンションは前後ともにアクティブ・ダンパーとセミ・バーチャル・ステアリングを備えたダブルウィッシュボーン式で、約50mmのフロントアクスル・リフト機構も備わる。ブレーキはバイ・ワイヤ作動で、ブレンボ製カーボンセラミック・ディスクと、フロント6ポット、リア4ポットのキャリパーを採用。ホイールは20インチだ。

パワートレインは2タイプ。まずエンジンは3.0リッターV6ツインターボで、最高出力は620ps以上。デュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)と電子制御LSDを介して後輪を駆動する。0-100km/h加速は3秒以下で、最高速度は333km/hに達する。もうひとつは3モーターの電気自動車=バッテリーEV(BEV)で、最高出力は750ps以上、航続距離は推定値450kmだという。

「ボッテガ」と呼ばれる職人によるカスタマイズ・サービスでは、社内委員会による検討と承認が必要となるものの、かつてのコーチビルダーのように顧客の要望を反映しながら仕様を決定できる。さらに、車両登録番号の一部までオーナーの希望に合わせて決められることができ、1台ずつの認識コードが与えられる。

すでに33台ともに購入者は決定しているという。さらに、アルファ・ロメオでは今後もフォーリセリエやボッテガ制度を継続していく意図を明らかにしている。

文=関 耕一郎



(ENGINE WEBオリジナル)

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