2023.10.16

CARS

新型ホンダN-BOXの対抗馬がモビリティショーでデビュー スズキが次期スペーシアの雛型を出展

スズキの軽スーパーハイトワゴンである「スペーシア」の新型と思われるコンセプト・モデル、「スペーシア・コンセプト」と「スペーシア・カスタム・コンセプト」を、ジャパン・モビリティショー2023で公開される。

デザイン・モチーフはコンテナ

ホンダN-BOX、ダイハツ・タントと激しい戦いをみせる現行の2代目スペーシアは、4ナンバーの商用バン仕様となる「スペーシア・ベース」を含め4タイプを揃えるが、次期型を示唆する今回のコンセプト・モデルは標準モデルとカスタムの2タイプを出展する。エクステリアのデザイン・モチーフがスーツケースなのに対し、コンセプト・モデルのモチーフはさらに容量の大きいコンテナだ。



サイドビューを大きくイメージチェンジ

エクステリアでそれを感じさせるのがボディ・サイドのプレス形状。現行型は丸みのあるラインが上下に2本入りドアとフェンダーで分断されているが、コンセプトには前後に連続したシャープなプレスラインが高い位置に2本走る。

もうひとつ、変化が顕著なのがサイドのガラス・エリアだ。現行型はDピラーをブラックアウトし、ウインドウとの連続性を持たせている。その一方で、ウインドウ・フレームはボディ同色としてドアの存在感を際立たせることで開口の大きさを視覚的に感じさせる意匠になっている。しかし、コンセプトはルーフサイドとDピラーを連続させ、ドアにはルーフやウインドウに溶け込む彩色を施すという、現行型とは正反対の手法を採った。加えて、リアクオーター・ウインドウは後端がキックアップさせている。また、縦長のバー・タイプのテールライトは現行型よりも取り付け位置が低くなった。

ホイールアーチ周辺を平面化し、前後バンパーやドア下部と一体感を持たせたのも次期型コンセプトの特徴。2トーン・カラーやアウトドアテイスト・モデルを追加した際に効果を発揮しそうな造形だ。カスタムは金属調パーツをマットな質感として、落ち着きある雰囲気に仕立てている。



リビングのような室内を目指す

ダッシュボードは現行型同様、2段構成で水平基調だが、助手席前は小物が置きやすいトレー形状となり、使い勝手の向上を予感させる。また、ハザードランプ・スイッチをセンターディスプレイ横に移設するなど操作系レイアウトの改善も図られている。

インテリアの配色や素材感は、カジュアルな雰囲気の標準モデルは心地よさとワクワク感がテーマとなっている。カスタムは外観同様にマット仕上げを取り入れ、上質感や華やかさを演出している。

後席は座面前端に可動式のレッグサポートを設置。広さだけではなく、リビングのようなくつろげるスペースを目指して快適性や利便性を高めた。安全面では、運転支援装置にスズキの軽では初となる機能を導入。自転車と二輪車や交差点を検知対象に加えたデュアルセンサー・ブレーキサポートIIと、前進及び後退ともに対応する低速時ブレーキサポートが追加されている。

ジャパン・モビリティショー2023の一般公開は10月28日〜11月5日。売れ筋スーパーハイトワゴンの将来像を確認できるスズキ・ブースは東5ホールに出展されている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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