2022.09.04

CARS

軽自動車界のカングーになれるか? 乗用と商用をミックスしたスズキ・スペーシア・ベース誕生

スズキが新しい軽商用車の「スペーシア・ベース」を発売した。「ホンダNバン」や2021年に生産が終了した「ダイハツ・キャディー」などと同じ、スーパー・ハイトワゴンと商用バンを融合させたモデルだ。

4人乗車の4ナンバー・モデル

乗用モデルの「スペーシア」をベースに、荷室は隙間なくフラットになるフロアと地上高の低い開口部を実現。2名乗車時の最大積載量は200kgで、ビール・ケース24個積載できる容積を確保する。



車中泊や作業スペースなど多彩なアレンジが可能

荷室は広くて使いやすいだけでなく、標準で備わる「マルチボード」を活用することで、空間を多彩にアレンジできるのも大きな特徴。マルチボードを作業台や机として使用することで打ち合わせや事務作業ができたり、倒した助手席の背もたれと高さを揃えることで車中泊向きの長くて平らなスペースが確保できたり、ボードを立てることでペット用の空間を作れるなど、仕事だけではなく趣味の脚として、ユーザーの趣向に応じた使い方に対応する。左右側面には10ヶ所にM6ボルト対応のユーティリティナットを設置しているので、仕切りや棚の接地なども容易だ。



前席は乗用モデルと同レベル

前席のシート高はスペーシアと同等で良好な乗降性に貢献。厚みのあるフロント・シートや広々とした足元空間で前席の快適性も確保している。前席シート表皮は撥水加工ファブリック、ラゲッジ・フロアは防汚タイプで、商用のみならずアウトドア・ユースにも有利な仕様となっている。2名乗車が可能なリア・シートも備わるが、折り畳んだときの収容のしやすさなどを優先したもので、残念ながら快適性は乗用タイプのスペーシアよりつくりになっている。

上位グレードの「XF」に設置されたオーバーヘッド・シェルフをはじめ、収納スペースはスペーシア同様に豊富。さらに、左右前席間のフロア・コンソール・トレーや防汚仕様の助手席シートバック・テーブルを装備する。



欧州の商用車を彷彿

エクステリアは「スペーシア・カスタム」をベースに、フロント・グリルやテールライトを変更。ドア・ハンドル、ドアミラー、バックドアガーニッシュ、テールライトのリムにブラック塗装を施すとともに、クロームの装飾を排することで欧州の商用車のようなシンプルな意匠になっている。ホイールもアルミ、スチール製ともブラック仕上げとなる。XFにはブラックのルーフ・レールが備わる。スライド・ドアは右側が予約ロック機能付きの自動開閉式で、左右ともオートクロージャーを装着。ボディ・カラーは新色のモスグレーメタリックを含む5色を用意した。

エンジンは52ps/60Nmの自然吸気のみでCVTが組み合わされる。駆動様式は前輪駆動(FF)と4WDが用意され、WLTC燃費はFF車が21.2km/リッター、4WD車が19.9km/リッターとなっている。全車エコカー減税対象で、重量税が免税となる。

価格は139万4800〜166万7600円。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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