2025.05.22

CARS

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオは、過激極まりないスーパーセダンだった!【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】

もうすぐお別れのジュリア・クアドリフォリオ。登場した時の興奮はこんな感じでした!

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MやAMGとの違いは?


村上 僕はバロッコにあるサーキットみたいなテストコースでも乗ったんだけど、「FRというのはこういうもの」という典型のハンドリング。振り回して走りたい人が楽しめるクルマだった。最近のクルマのなかでは電子制御の介入が少なく、右脚とステアリングの操作でいろんなことをやらせてくれる。もちろん電子制御のトルクベクタリングがついているから、自然だとはいえアンダーステアが出ないようにクルマが曲げてくれてはいるんだけど。

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齋藤 サーキットが得意なのはレース・モードがあるからね。レース・モードは基本的にサーキットを走るためのもので、通過騒音は関係ないからマフラーのバルブは全開きになるし、立ち上がりのピックアップを上げるためにアイドリング回転も高い。

村上 逆に言うと、M3はサーキットに特化しているにもかかわらず、電子制御がすごく入ってくる。

齋藤 どこまでを自分がやっていて、どこまでを機械が助けてくれるのかがサーキットを走っていてもよくわからない。

村上 普通のジュリアがちょっと前のBMWを思い出させたように、クアドリフォリオは一番気持ちよかったE36やE46のころのM3にすごく近いと思った。M3も昔はそういうクルマだったんだよね。

齋藤 M3はどんどん先鋭化して、いまやサーキットで楽しむためのクルマ。そのなかでどれだけ欠点を減らし、公道もこなせるようにするかというものになっている。

村上 M3やC63に対して、クアドリフォリオは何が一番違うのかというと、すごくナチュラル。運転させられている感じがまったくしない。自分が行動しないとクルマは何もやってくれない。

齋藤 自分がちゃんとしていないとダメってことだね。

村上 クアドリフォリオもやっぱりクルマ好きから支持される1台だった。この手のパフォーマンス・カーが欲しい人にとっては「久々にやってきましたね」というクルマなんじゃないかな。

齋藤 倍の値段を出して、超過剰なパワーを抱え込むクルマをわざわざ買うヤツが何をしたいのかよくわかっていて、そこに回りくどい理屈が付いてこない。基本イタリア人って、「あのクルマ速いよな」とは言わない。「あいつは速い」なんですよ。クルマが速いかどうかを決めるのは人だから。そういう当たり前の前提があって、クアドリフォリオは作られている。ところが日本では作る人も、乗る人もそういうところがわかっていない。

荒井 ぬれた路面を走って、私も「腕を磨かないと」と思った(笑)。

塩澤 ドリフト・モードが付いているクルマとは違うな。

荒井 クアドリフォリオの場合、ドリフト・モードはドライバーの方に付いている。

齋藤 上手い人が乗れば、素の911カレラくらいはやっつけられる。

村上 ちょっと重いけどね。

齋藤 過剰なほどの速さを持っているけど、本当に楽しいクルマ。

話す人=村上 政(ENGINE編集長)+塩澤則浩+齋藤浩之+荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

■アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ

駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4635×1865×1435mm
ホイールベース 2820mm
トレッド 前/後 1555/1605mm
車両重量 1710kg(前900kg/後810kg)
エンジン形式 V型6気筒DOHC24V直噴ツインターボ過給
総排気量 2891cc
ボア×ストローク 86.5×82.0mm
最高出力 510ps/6500rpm
最大トルク 61.2kgm/2550rpm
変速機 8段AT
サスペンション形式 前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/35ZR19 98Y/285/35ZR19 98Y
車両価格(税込) 1132万円

(ENGINE2017年12月号)

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