2023.12.01

CARS

リーフを圧倒! ヒョンデの第3弾、SUVスタイルの小型EV、コナに自動車評論家の国沢光宏が試乗した!

復活のヒョンデから第3弾となるSUVスタイルの小型EV、コナが登場!

全ての画像を見る
2022年、ゼロエミッション・モデル専売ブランドとして、日本再上陸を果たしたヒョンデの新しい3本目の矢がこのコナ。外観はかなり奇抜なデザインだが、果たして中身は……。モータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

欧州の電気自動車にも引けを取らない

日本における韓国車や中国車は、弱くない向かい風を受けることになる。ブランドイメージだけでなく、韓国や中国に対する信頼性が厳しいということなんだろう。日本に入ってきた韓国車や中国車をポジティブに評価すると、必ずや「自分で買ってから紹介するべき」という声が出てくる。確かに耐久性やサービス面など実績ないため信用できないと言えばその通りだ。振り返って見ると黎明期の日本車だって同じだったと思う。でも日本車に将来性を見いだしてくれた欧米のメディアは少なくなかった。



私も昨今の韓国車や中国車に対する評価は、欧米の先達ジャーナリストと同じ。良いと思えばポジティブな評価をするし、良くないと思ったらネガティブな評価をすればいい。ということでヒョンデの新型電気自動車コナに乗っての評価は「デザインを除き相当ポジティブ」ということになります。まずデザインだけれど、明らかにアメリカを重視している。日本や欧州のユーザーはあまり考えていない。日本人的には「好き嫌いが分かれる」と思う。

ここで興味を失ってしまう人も多いだろうということを考えれば残念な「第一関門」だ。でもそこを乗り越え、試乗してみると日本車や欧州車と比較したって勝るとも劣らない。というか同じ価格帯の電気自動車のリーフと比べたら、どの評価項目でも圧倒している。例えば車体。電気自動車はアクセル・ペダルを踏んだ量と実際の加速感を自由に決められる。開発ドライバーのセンスということになるのだけれど、雪道やスポーツなど4つから選べるモードの「標準」では自然かつ滑らかに走ってくれる。「スポーツ」は元気。「ECO」を選ぶとマイルド。

12.3インチの大型画面を2つ組み合わせたインパネ。最近のクルマとしては機械式のスイッチが多い。




聞けば日本のメーカー出身のテスト・ドライバーが中心となり味付けしているそうな。車体の剛性感や乗り心地(大きな入力だと少し挙動大きめ)、ブレーキのタッチなど申し分なし。日本の電気自動車だけでなく、欧州の電気自動車と比べたって遜色ないレベル。だからこそ一昨年の欧州COTYでヒョンデ・アイオニック5の兄弟車であるKIA6が1位。アイオニック5が3位になった。高い評価軸を持つ欧州のジャーナリストも納得する仕上がりということ。

試乗車は上級グレードのヴォヤージュで、価格は489.5万円。


ADASに代表される電子装備は日本勢を圧倒する。右にウインカーを出せばメーターパネル内にある液晶に右後方を映し出す。巻き込み防止に役立つ。車線変更などで左ウインカーを出すと左後方を出す。同時に左後方に車両があったらヘッドアップディスプレーは左後方のコーションを出す。ナビも上級グレードだとカメラで先方の風景を表示し、それに右左折の指示を上乗せしてくれる。けっこう手前から正確な距離も出すため、余裕を持って目的地を目指せる。

絶対的な動力性能は今回試乗した204馬力の上級グレードだとひと昔前の「ボーイズレーサー」のような元気良い走りを楽しめる。135馬力のベース・グレードでも街中を普通に走るなら問題ないレベルとのこと。価格はナビやADASや電動パワーシートといった文字通りフル装備で399万3000円から。東京都だと65万円の政府補助金のほか、45万円が追加。さらに太陽光発電を入れている家庭だと30万円の上乗せ。地域の条件により259~334万円で購入できてしまう。魅力的なプライスだと思う。

文=国沢光宏 写真=茂呂幸正


(ENGINE2024年1月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement