さる11月17日~19日にかけて開催された『ASTON MARTIN ARCADIA TOKYO 2023』は創立110周年を祝うに相応しい、壮大なイベントだった。モータージャーナリストの藤原よしおがリポートする。浅草に集結したアストン・マーティンその週末、国内外の観光客で賑わう東京、浅草にある浅草寺はアストン・グリーン一色に染め上げられた。境内に整然と並べられたアストン・マーティンは実に70台以上!しかも初日には宝蔵門の前に特製のショーケースを仕立て、2024年F1レプリカとDB5コンティニュエーションの展示まで行われたのである!1400年以上に及ぶ浅草寺の歴史において、これほどまで大規模な自動車関連のイベントが催されたのは、無論初めてのことだ。
『ASTON MARTIN ARCADIA TOKYO 2023』は、同社の創立110周年を記念して、11月17日から19日にかけて行われたイベントで、今後は2年に1度の定期的な開催を予定しているという。会場には日本初公開となるV12、6速MTを搭載する世界110台の限定車ヴァラー、10台限定のバルケッタ、DBR22、そしてPHEVのスーパースポーツ、ヴァルハラが、この日のためにイギリスから持ち込まれていたが、それにも増して凄かったのは、コンクール・デレガンスのために日本国内から集められたモデルの顔ぶれだった。幻のワークス・モデルが登場その中でも白眉と言えたのが、日本に上陸して以来、初めて公の場に姿を見せた2リッター・スピードモデル・タイプC“LMF 385”だ。
タイプCは1936年のル・マンに向け開発されるも、フランスの労働争議によって参戦せずに終わった幻のワークス・マシンだ。展示車はクロード・ヒルによる空力的なスチール・フレームのボディを持つ最終の1940年型で、1949年のAMOCウォーリンガム・ラリーに出場しクラス1位を獲得したヒストリーを持つ個体でもある。その素晴らしいコンディション、希少性から、アストンマーティン・ラゴンダ社ヒストリアのスティーヴ・ワディンガム以下、審査員の満場一致で今回のベストinショーに輝いた。ほかにも1930年のインターナショナルから、50~60年代のDBシリーズ、さらには最新のDBS770アルティメイトに至るまで、貴重な歴代モデルが居並ぶ光景は、戦前から続く日本とアストン・マーティンの長く深い関係を象徴しているようでもあった。文・写真=藤原よしお(ENGINE2024年2・3月号)
                    
                    
                    
                                                                
                    
                 
             
            
            
            
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