新世代クラウン第2の矢、「スポーツ」に総合出力300psオーバーのプラグイン・ハイブリッドが発売された

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トヨタは2023年10月に発表した新型「クラウン・スポーツ」にプラグイン・ハイブリッド車（PHEV）の「スポーツRS」を追加した。

2カ月遅れで販売開始

クラウン・スポーツは大変革を受けた16代目新型クラウンで「クロスオーバー」に続く第2の矢となるSUVスタイルの新機種だ。プラットフォームはクロスオーバーやアルファード&ヴェルファイアなどと同じGA-Kと呼ばれるフロント横置きエンジンの前輪駆動ベースのものを用いている。まずは2.5リッターのハイブリッド仕様が発売されたが、2か月遅れでPHEVモデルの販売が開始された。

2.5リッターの2モーター4WD

エンジンはハイブリッド同様、2.5リッター直4を搭載。ただし、出力はハイブリッド仕様よりも若干低い177ps/219Nmを発生する。これにフロントに182ps/270Nm、リヤに54ps/121Nmという2つの駆動用モーターを搭載。システム最高出力は306psに達する。「E-Four」（電気式4WDシステム）によってエンジンとフロント・モーターで駆動する前輪と、リア・モーターで駆動する後輪のトルク配分を最適化することで。卓越した走行安定性を実現するとともに、コーナリング中をはじめ、降雪時や雨天時の走行においても安心感を向上させた。

51Ah、18.1kWhの大容量リチウムイオン電池は車体中央の床下に配置。車内空間を損なわず実用的なEV走行航続距離を備えた。満充電状態でEV走行距離は90km、ハイブリッド燃費は20.3km/リッターを達成。ガソリンタンク容量は55リッターを確保し、航続距離は1200km以上を実現する。

外部電源でエアコンやオーディオの使用が可能

ユニークな機能として、普通充電時にパワースイッチをオンにすると外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる「マイルームモード」を搭載。エンジンを掛けずに車内で快適に過ごすことができ、車内をテレワークや休憩などに活用できる。

最大1500W（AC100V）の外部給電機能も標準装備。センターコンソールボックス後端とラゲージ内に設置されたアクセサリーコンセントに加え、付属のヴィークル・パワーコネクターを充電インレットに差し込むことで、AC100V/1500Wの外部給電コンセントとして活用できる。停電などの非常時にクルマを電源として活用できる「HEV給電モード」では、バッテリーが一定の残量を下回るとエンジンが掛かり給電を継続する。

急速充電で80％まで38分

充電は普通充電に加え、急速充電にも対応。充電時間は200V用充電を使った場合と比べ、約38分（満充電量の約80％）と大幅に短縮できる。

クルマに蓄えた電気を住宅に供給する仕組み「V2H（ブイツーエイチ）」も設定。急速充電インレットに外部給電機能（V2H）を設定し、V2H機器（別売）と接続することで、駆動用バッテリーに蓄えた電力を家庭用電力として利用することができる。

マットブラックのホイールで差別化

エクステリア・デザインでは、21インチ・タイヤのサイズはハイブリッドと変わらないが、マットブラック塗装を施した専用アルミホイールを採用。特徴的なトリプルスポークと細いレイヤー・スポークで、プレミアムでスポーティな意匠を強調する。

インテリアではブラック＆センシュアルレッドを運転席と助手席で左右非対称に配色。新開発の光輝材を入れた表皮を組み合わせることで強い陰影と鮮やかな発色を両立させた。シートはドライバーがしっかりと身を預けられるホールド感を持つ赤いステッチを施したスポーツ・タイプも採用。フロント＆リヤ席のシートベルトも赤色とした。

ボディを強化し、脚も最適化

ハイブリッドの「スポーツZ」グレードをベースにフロア・トンネル部へのブレース追加など、ボディの最適な剛性バランスをさらに追求。そのつくり込んだボディ剛性に対して、前後ショックアブソーバーの摩擦特性と減衰力特性を最適化。路面状況や運転操作に応じてショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御する「AVS」を採用し、しなやかな動きと接地感のあるフラットな乗り味を実現する。前輪のブレーキには20インチ・ベンチレーテッド式ディスクに専用の20インチ対向6ピストン・アルミキャリパーを組み合わせ、制動力を向上させた。

PHEVのラインナップはスポーツRSの1グレードのみで、価格は765万円となっている。