魂の籠もった歌声を聴かせるヴォーカリストは? と聞かれたら私は迷わずこの人の名を挙げるだろう。田島貴男さん、Original Loveとして活躍しているミュージシャンだ。長身から絞り出す力強い歌声がストレートに聴く者の心を打つのである。
10年ほど前、田島さんにインタビューしたことがある。そのときはバイクに乗っていたのだが、最近クルマの運転が楽しくて仕方がないそうだ。サーキットにも通っているという。そんな田島さんに限定わずか50台、最後のシボレー・カマロとなるファイナル・エディションに試乗してもらった。
黒のライダーズ・ジャケットにデニムの組み合わせが長身の田島さんによく似合っている。引き締められた身体であることは、ジャケットを着ていてもよくわかる。ロックな出で立ちの田島さんが、シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの前でポーズを取ると、双方が放つオーラがシンクロしてめちゃくちゃカッコイイ。
「カマロ、カッコイイじゃないですか。黒いボディに白いラインというのがカッコイイ!」
田島さんはそう言うと、運転席に腰掛けた。
「コクピットは意外とタイト。このコンパクトでドライバー・オリエンテッドな感じは好きです。スイッチ類の操作もしやすそう」
大きさを感じない走り
ヴォオオン! 6.2リッターV8に火を入れると東京・台場の街中へシボレー・カマロ・ファイナル・エディションはゆっくりと走り出した。
「クルマの重さとか、デカさとか、まったく感じないですね。初めて見たときはやっぱり大きいなと思ったんですけど、乗り始めたら気になりません。思ったより小回りも利くから、都内の普段使いでも全然問題ないですね。これはちょっと意外だった。僕はサーキットでこれよりずっと非力なコンパクトカーに乗っているせいか、カマロはもっと大味なクルマだと思っていましたが、全然そんなことはないですね」
首都高速に入ると、田島さんはツーリング、スポーツ、トラックの3つのドライビング・モードをそれぞれテストした。
「いやあ、アクセル・レスポンスが全然違いますね。トラック・モード最高! トラクション・コントロールを切るスイッチもセンター・コンソールのわかりやすいところにある。これ、サーキットを走れってことじゃないですか? アハハハ!」
アクセル・オフにしたのだろうか、首都高速のトンネル内にパン、パン、パンッ! と強烈なバックファイアが響き渡った。
「おお~! 面白い! このやんちゃな感じ。好きだなあ」
シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの運転に慣れていくほどに、その楽しさを実感していくようだ。田島さんはどんどん笑顔になっていく。
「ハンドリングは軽快です。ステアリング操作に対するクルマの反応も素直で気持ちいい。あと、この専用バケット・シートは素晴らしい。ホールド性は抜群だし、クッションがすごく良くて振動を吸収してくれています。掛け心地も硬くなく柔らかすぎず丁度いい」
◆シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの詳しい情報はこちら!
サーキットを走りたい
1時間ほどの試乗を終え、シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの印象を聞いた。
「意外でした。僕はクルマ好き初心者なんですけど、大排気量のアメリカ車って見た目だけ、図体だけ、直線だけだと思っていました。乗ったら全然違っていた。本当にこのクルマでサーキットを走ってみたい。富士スピードウェイを走りたいなあ!」
クルマ好き初心者という田島さん。そもそもクルマ好きになったきっかけを聞いた。
「MTのクルマを運転する機会があって、こんなに面白いんだと思ったんです。それまでは、クルマにはまったく興味がなくて、ミュージシャンがちょっとヒット曲を出すと、新車を買ったりしているのが不思議でならなかった。いま思うと、オレはなんであのとき買っておかなかったんだろう~!って。アハハ」
もともとモトクロスなど、乗り物を操るのが好きだったという田島さんの心に、MT車が火を点けた。田島さんの周りにはクルマ好きの人が多く、そうした影響もあったのだろう。気が付いたらサーキットへ通うようになっていたのだという。
「僕があのカマロを買ったらずっとトラック・モードですよ。アハハ。あのやんちゃな感じが大好きです。トラック・モードにすると内燃機関最後のクルマの楽しさが味わえる。そういうセッティングになっているから、カマロを開発した人たちだって、本当はここを味わって欲しいんだと思うなあ」
その楽しさは6.2リッター自然吸気V8エンジンが生み出していると田島さんは言う。
「やっぱり自然吸気エンジンは素晴らしいと改めて思いました。シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの楽しさの源は、間違いなくあの自然吸気V8にありますよ。このエンジン・フィールの濃さは電気自動車と正反対のところにある。そこをみなさんに知って欲しいですよね。僕はエンジンって機械の時代の英知の結晶だと思っているんです。シボレー・カマロ・ファイナル・エディションは、エンジンが好きな人は絶対好きなクルマだと思う。マニアックなクルマ好きの心をくすぐるクルマですよ」
◆シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの詳しい情報はこちら!
ライブ演奏と似ている
シボレー・カマロ・ファイナル・エディションは、乗り物を操ることが大好きな田島さんの心もくすぐったようだ。
「うん、これでサーキットを走りたいですね。ちなみにサーキット走行とライブ演奏って似ているんです。サーキットでは速く走るために、アクセル、ブレーキ、ステアリングなどを連携させながらコントロールしていかなければならない。ライブ演奏もどうやったらグルーヴが生まれるか、お客さんがノッてくれるかなどを考えながらコントロールしていく。同時に別々なことをコントロールしながら次の動きに生かしていくといったところが、似ているんです。だからサーキット走行した後にライブをすると上手くいったりするんですよ」
今年2月から「弾き語りツアー2024」をスタートさせる田島さん。シボレー・カマロ・ファイナル・エディションで受けた刺激がステージにどう反映されるのか。とても楽しみである。
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭(人物)/茂呂幸正(クルマ)
◆シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの詳しい情報はこちら!
■シボレー・カマロ・ファイナル・エディション
/CHEVROLET CAMARO FINAL EDITION
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4785×1900×1345mm
ホイールベース 2810mm
車両重量 1710kg
エンジン形式 V型8気筒OHV
総排気量 6168cc
最高出力 453ps/5700rpm
最大トルク 617Nm/4600rpm
変速機 10段AT
サスペンション 前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ ベンチレーテッド・ディスク
タイヤ 前245/40ZR20 後275/35ZR20
車両本体価格 940万円
◆シボレー・カマロ・ファイナル・エディションの詳しい情報はこちら!
■田島貴男(Original Love)
1987年からOriginal Loveとして活躍。1994年リリースのアルバム『風の歌を聴け』はオリコン初登場1位。2022年の20枚目のアルバム『MUSIC, DANCE & LOVE』はCDショップ大賞2023にノミネートされ、全国ツアー、大型フェスにも出演するなど精力的に活動中。
田島貴男「弾き語りツアー2024」
2.12(月祝) 名古屋、2.17(土) 新潟、
3.1(金) 梅田、3.3(日) 広島、3.9(土) 福岡、3.10(日) 鹿児島、3.16(土) 札幌、3.20(水祝) 浜松、3.24(日) 東京、3.29(金) 仙台
料金:6,000円 チケットはイープラス:https://eplus.jp/tajimatakao/
(ENGINE WEB オリジナル)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
PR | 2024.12.26
CARS
【参加無料】1/19(日)開催 ゲストに島下泰久さん ENGINE…
2025.01.04
CARS
希少な生息数の英国製旧車オープンカーを普段乗り! オーナーはトライ…
PR | 2024.12.27
WATCHES
落札総額12億3600万円! 世界中の時計ファンが注目したフィリッ…
2024.12.30
CARS
【海外試乗】蘇ったルノー5ターボ! EVだけど、これは乗ってみたい…
PR | 2024.12.24
CARS
「ベビーカーの頃からガタガタ道が好きでした」父から受け継いだ初代に…
2024.12.30
CARS
清水草一の自動車10大ニュース まずは10~6位をまとめて発表 二…