2024.09.26

CARS

窓を開け放ち、ストレート・シックスの快音を聞く! BMWZ4ロードスター  これは命芽吹くスポーツカーだ!!【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】

2009年型BMW Z4ロードスターの試乗記!

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【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】ご存じ中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の過去の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2009年6月号に掲載されたBMW Z4ロードスターのリポートを取り上げる。BMWの小粋なオープン・スポーツカー、Z4ロードスター。低く長くなって、エレガンスさえ漂わせる新型は、きびしいスペインの山道を小気味よく走った。

コスタ・ブランカにて

スペイン東部の地中海に面する「コスタ・ブランカ」(白い海岸)地域の中心都市、アリカンテでは、真っ青な水面と、その青い海に覆いかぶさるようにそびえる沿岸の急峻な岩山の肌とに、「光の都」を意味するその古名(ルセントゥム)の通り、白い光がまぶしく乱舞する。生きとし生けるものの命芽吹く4月初め、BMWはこの光あふれるステージで、新型Z4ロードスターの国際試乗会を開いた。

Z4ロードスターのプロフィール2態。ドライバーはホイールベースの中央点よりさらに後ろに座る。


新型Z4は、20秒のうちにフルオートで開閉するアルミ製の軽量ハードトップを格納した姿では、「屋根なし2座のクルマ」というロードスターの定義になんらもとらないが、ハードトップを上げた姿では完全な2座クーペになる。

2002年に登場した先代Z4シリーズがラグ・トップの「ロードスター」とメタル・トップの「クーペ」の2車型からなっていたのと異なり、新Z4シリーズはロードスターにもクーペにもなる1車型に統合された。この変身が新型Z4の、いちばんのニュースだ。

あたらしいZ4は、オープンでもクローズドでも、旧型よりひときわエレガントになった。この魅力的なエクステリア・デザインを担当したのは、31歳のうら若い女性、ジュリアナ・ブラーシ。社内コンペを勝ち抜いたかの女のスタイリング・コンセプトは、「生きた彫刻」のようなボディ、それもアスリートの肉体をおもわせるそれだったという。アンチ・メタボの世界的風潮のなかで「アスリートのような……」という謳い文句は常道と化していて、それはとりわけ、過・美食の反動からフィットネスに強い関心を抱く(だけの余裕のある)社会的上層人士に向けたクルマのスタイリングに顕著だ。人生を楽しむための上等なオープン・スポーツカーである新型Z4はむろん、その例外たり得ない。



旧型より148mm長い全長と46mm広い全幅、そして8mm低い全高となった新型は、旧型が8等身とすれば9等身化したと感じられるほど流麗でスリムなボディ・ラインを得たうえに、低く長いボンネットを強調するスタイリング・トリックとしてのブラック・アウトされたAピラーとボディ・サイド上下を水平に走るシャープなエッジの立ったキャラクター・ラインによって、時代があこがれる「細マッチョ」なからだつきとなった。

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