アルピーヌA110Rチュリニはどんなスポーツカーか?
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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! フランスで最も有名な峠道の名が冠されたホンモノのスポーツカー! 日本の割り当てはたったの24台! アルピーヌA110Rチュリニに乗ったふたり、清水和夫さん、大谷達也さんのホンネやいかに?
「全日本ラリーに出たい!」清水和夫V6ミドシップ三連発の後にドライブしたのが、4気筒ミドシップのアルピーヌ。一日で4台のミドシップをドライブできるなんて幸せである。ところでアルピーヌはいまではF1からWECまで世界のトップ・カテゴリーのレースに名を刻むし、最近は量産車ベースの2輪駆動のラリー選手権でも活躍している。
これほどラリーが似合うスポーツカーは他にない。そんなラリーの歴史をリスペクトした「A110Rチュリニ」が登場した。チュリニとはモンテカルロ・ラリーで使われる有名な峠の名前だ。
軽量化したチューンド・シャシーのおかげで、狭く屈曲したチュリニ峠を攻めることができる。スペックを見ると驚く。車重は1100kgでターボエンジンは300psを発揮。最高速度は284km/h、0-100km/h加速は4.0秒とスーパーカー並のパフォーマンスだ。
ステアリングに対する俊敏な動きはライバルを寄せ付けないし、サスペンションは車高調整も可能なので、より低くセットできるし、タイヤを変えればサーキットでの速さを競うこともできる。叶うならこのマシンで全日本ラリーに参戦したいと思ってしまった。
「最大限の賛辞を送りたい」大谷達也ブランドの完全電動化を間近に控えたアルピーヌ。そんな彼らが、ここのところA110のリミテッド・エディションを精力的にリリースしていることはご存知のとおり。
A110Rチュリニもそんな1台で、日本には24台のみがやってくる。その特別感をマシマシにするためにカーボン・パーツをこれでもかというくらい採用。結果、1550万円なんていう破格のお値段になっているが、ディエップの技術者たちが本当にすごいのは、高級装備てんこ盛りのハイパフォーマンス・モデルにしても、A110というスポーツカーの本質を1mmも見失っていない点にある。
個人的には、低重心とヨー慣性の小ささ、そしてしなやかなサスペンションによる優れたロード・ホールディングにA110の魅力はあると思っているけれど、そうした特徴はA110Rチュリニにも完璧に引き継がれていて、荒れた路面でも安定したグリップ感を生み出してくれるほか、たとえテールがスライドし始めても瞬時にそれを修正できるコントロール性の高さを常に感じさせてくれる。
ホンモノのスポーツカーとして最大限の賛辞を送りたい。

写真=小林俊樹(メイン)/神村 聖(サブ)(ENGINE2024年4月号)
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