2024.03.12

CARS

これが、ヒョンデ・コナ・ラウンジ2トーンに乗った自動車評論家のホンネ!!「スペックは現在販売しているすべての日本製電気自動車より優れている」by 国沢光宏

ヒョンデ・コナ・ラウンジ2トーン

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今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 2代目の現行モデルより日本市場へ投入されたヒョンデのクロスオーバSUV、コナに乗った国沢光宏さん、斎藤聡さん、島崎七生人さんのホンネやいかに?

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「気になるのはデザインだけ」国沢光宏

世界に先駆けてリチウムイオン電池を搭載した電気自動車を市販した我が国ながら、モタモタしているうち、テールエンダーに近いポジションになってしまった。ウサギとカメの寓話は、先行して昼寝しているウサギが地道に進むカメに負けるという話だけれど、昨今の世界情勢を見ると、日本勢は先に出発したカメ。ヒョンデって遅れて出発した昼寝をしないウサギというイメージ。

韓国や欧州市場では純内燃エンジン車やハイブリッドも設定があるが、日本市場のコナはBEVのみをラインナップ。電池容量は48.6kWhと64.8kWhの2種類で、試乗車のラウンジ2トーンは後者。一充電走行距離はWLTCモードで541kmとなる。AR機能付きのナビや後席のシートヒーターなどもこのラウンジ2トーンでは標準装備となる。

コナのスペックは現在販売しているすべての日本製電気自動車より優れていると考えます。航続距離はWLTCモードで625km(ヴォヤージュ)。アクセレレーターを踏めばパワフルに加速するし、乗っていて何のストレスも無い。489万5000円のグレードならBOSEのオーディオからサンルーフ、世界最先端のナビ・システムまで標準装備する。

唯一にして最大の弱点は、日本人の感性に合うとは言えないデザインか。日本人の好みはシャッキリしたロー&ワイド。日本向けにデザインしたクルマじゃないので仕方ない? 
逆にデザインさえ気に入れば、環境にやさしくないエンジン車を持っている人の相棒にいかがだろう。




「作り手の熱で元気になる」斎藤聡

アイオニック5の弟分的なクルマ? そんな先入観があっただけに、実車を目の当たりにした第一印象は“意外に普通”だった。しかし、いざ走り出してみると、現代の本気度がじわじわと伝わってくる。

乗り心地は角のとれたマイルドな味付けで、これにモーター駆動のなめらかな駆動フィールが加わって、上質な乗り味がある。加速に鋭さはないが、むしろこのマイルドな乗り味には、このくらいの加速がよく合っていると思う(実は日本向けは加速フィールをマイルドにチューニングしている)。

走りの味付けだけでなく、前方が映る不思議なモニター“ARナビゲーション”はコナのウリの1つ。このナビと連動するスマート回生ブレーキも興味深い。レーダー追尾しながら回生ブレーキの強さをコントロールしてくれる。

気になる航続距離についても、バッテリー容量64.8kWhで公称625km(ヴォヤージュ)。技術を惜しげもなく搭載している。EVの新しい標準を作ろうとしているのではないか。乗って、触ってみると、コナの作り込みに作り手の熱が感じられ、乗るほどに楽しく元気になってきた。

    ヒョンデのクロスオーバSUV、コナは2代目の現行モデルより日本市場へ投入された。先行したミニバンのスターリアやソナタと共通のLEDを横一文字に配したフロント・マスクが目を惹く。試乗車のラウンジ2トーンは最高出力150kW、最大トルク255Nmを発揮するフロントのモーターで前輪を駆動する。全長×全幅×全高=4355×1825×1590mm。ホイールベース=2660mm。車両重量=1770kg。車両本体価格=489万5000円。



「ファミリーカーとして」島崎七生人

アイオニック5はコンセプチュアルなデザインとEV専用のプラットフォームからなる、実に意欲的なモデルだった。対してコナは同車の2世代目にあたり、ガソリン車やハイブリッドも設定される。

2023年10月、日本市場にお目見えしたのはBEVで、全長×全幅×全高=4355×1825×1590mm、ホイールベース2660mmと日本の道路環境でもあつかいやすいのがいい。

また充電ポートはフロント側に備わるが、普通/急速の2口になる日本仕様ではリッドが幅広く、ヒンジ式では手前の張り出しが大きくなるため、わざわざ専用のリンクにしバンパーと平行移動で開くようにしてある。またウインカー・レバーがステアリング・コラムの右手に備わるのも日本のための設え。


走りは電動車の中ではクセのないごく普通の印象で、加・減速もガソリン車から乗り換えても違和感を覚えないし、パドルで調整が可能な回生ブレーキもクルマの挙動が極端に変わらない味付け。外観から想像するより後席の居住性が高く、ファミリーカーとしての任務もしっかりこなせそう。

写真=郡 大二郎(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2024年4月号)

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