2024.04.29

CARS

生誕75周年を迎えたアバルトの名車が博物館に集結【後篇】ラリーやレースで活躍したモデルも出展

トリノにあるフィアット系モデルを集めた博物館の「ヘリテージ・ハブ」(Heritage HUB)で行われている生誕75周年を迎えたアバルトの特別展示。アバルトをメジャー路線へと引き上げた500 & 600ベースのリアエンジン車に続き、後篇ではそのあとに登場したモデルを紹介する。

アバルトSE 025

1972年の「アバルトSE 025」。「フィアット・フォーミュラ・イタリア」ことSE025は、若いドライバーのためのトレーニングマシとして1971年に製造された。 「フィアット1600」由来のエンジンは、「ランチア・フルビア・クーペ HF 1.6」のMTとツインチョークのウェーバー(Weber)製40 DCOEキャブレターの組み合わせで、最終的には115ps/6500rpmを絞り出していた。



アバルト124ラリー

1972年の「フィアット・アバルト124ラリー」は1.8リッター・エンジンを搭載。「124スポーツ・スパイダー」の新バージョンで、「アバルト・ラリー」と命名された。 注ぎ落とされたキャビンには、センタートンネルやグローブボックスなどはなく、木製パネルの代わりにアルミニウムが採用されていた。



アウトビアンキA112アバルト

同じく1972年の「アウトビアンキA112アバルト58 HP」も外せない存在だろう。アウトビアンキがフィアットに完全買収された直後の1969年に製造され、17年以上にわたり7つものシリーズが展開された。A112アバルトは1971年9月のトリノ・オートショーで発表。エンジン出力にちなみ、A112アバルト58HPを名乗っていた。最高速は150 km/hで、A112の標準モデルよりも約10km/h速く、0-100 km/h加速は約12秒でクリアする。



アバルト131ラリー

ラリーで活躍した「フィアット・アバルト131ラリー」は、1976年のジュネーブモーターショーでデビューした。ボディ軽量化のため、樹脂製のボンネットとフェンダー、アルミ製のドアを採用。パワーユニットは、「コルサ」バージョンでは軽量アルミニウム・ヘッド、DOHC16 バルブなどを備えた1995ccの直列4気筒で、ウェーバー(Weber)製のダブルボディ・キャブレターを備えたロード・バージョンは140psだったが、競技用モデルは225psに達し、のちに245PSにまで引き上げられている。

上記のほかにも、ほかのアバルト・クラシックカーが展示されている。これらには、ガイド付ツアーの対象となっている重要な車両や、ゲストがあまり見ることがないモデルも含まれている。そのなかには、若きデザイナーであったフランコ・スカリオーネがカロッツェリア・ベルトーネで働いていた時にデザインした「750レコード・エアロ」や、プリンセスの愛称で親しまれた「1000レコード・エアロ」、「1000フォルムリーノ」などのアバルトが打ち立ててきた記録を有するモデルが含まれている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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