2024.06.07

WATCHES

デザイン過多な時代だからこそ、こういう時計が胸に染み入る 「ブルガリ・ブルガリ」 これぞラグジュアリーメゾンの時計が目指すべき指標

篠田哲生のイチオシはこれ!「ブルガリ・ブルガリ」

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2024年、手に入れたい時計はどれか? 時計好きを自認するエンジン時計委員が今年まず注目し、手に入れたいと思っている魅力のある新作時計たちを紹介する。時計ジャーナリストの篠田哲生のイチオシはこれ!

篠田哲生のイチオシ「ブルガリ・ブルガリ」

新作はブルガリを代表するアイコニックなモデルのイエローゴールドによる進化版。かつてジャンニ・ブルガリが構想し、ジェラルド・ジェンタのスケッチによって1975年に誕生した、ベゼルにダブルロゴを刻む初代からのオリジナルデザインを継承する一方で、新しい38mmモデルではブルガリの自社製自動巻きムーブメント、キャリバーBVL191を搭載して現代的にアップデートを図った。ケース直径38mm、50m防水。206万8000円。



時代を超えるアイコンウォッチ


丸形ケースに直線的なラグを持ち、細い針を合わせるブルガリ・ブルガリは、時計デザインとしては極めてプリミティブ。遠目には個性のないアノニマスな時計にも見えるが、太いベゼルを与え、そのベゼルにロゴを加えることで際立った個性が宿り、一気にラグジュアリー感が増している。天才デザイナー、ジェラルド・ジェンタのスケッチをベースとして感性あふれる新しいスタイルが創り出されたのである。誕生は1975年なので、歴史は50年近い。しかしそのスタイルはほぼ変わらない。そんなアイコニックピースであるがゆえに、“新作”といってもそこに目新しさはない。むしろオリジナルモデルに倣ってイエローゴールドケースを使用することで、よりクラシカルなムードを強めている。シンプルで普遍的だけれど色気があるブルガリ・ブルガリは、ラグジュアリーメゾンの時計が目指すべき指標でもある。デザイン過多な時代だからこそ、こういう時計が胸に染み入るのだ。(篠田哲生)

(ENGINE2024年6月号)

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