6年ぶりに大幅な改良を受けたアストン・マーティン・ヴァンテージ。スペインのモンテブランコ・サーキットおよびその近郊で行われた国際試乗会からモータージャーナリストの大谷達也がリポートする。
公道で限界を試すにはあまりにリスキー
スペイン・セビリア地方の一般道を走り始めて、新型ヴァンテージのボディ剛性が格段に向上していることがすぐに実感できた。
荒れた路面を駆け抜けても、足まわりから伝わる振動を頑丈なボディがしっかりと受けとめて、ドライバーに不快な思いをさせない。しかも、この剛性感の高いボディが路面からのインフォメーションを包み隠さず伝えてくれるので、タイヤがグリップしている様子がはっきりと掴めて深い安心感を味わえる。

したがって、ワインディングロードを走っていても何のストレスを感じることなく、爽快にコーナーを駆け抜けていけるのだが、タイヤやエンジンのパフォーマンスがあまりに高すぎて、公道で限界を試すにはあまりにリスキーなようにも思える。
そんなことをうっすらと考え始めたころ、うまい具合にモンテブランコ・サーキットに辿り着いた。これで何の制約もなく、新型ヴァンテージのポテンシャルを思いっきり引き出せるというものだ。
コースインすると、公道ではあれほど手強いと感じたタイヤの限界にあっさりと到達した。新型ヴァンテージ専用のチューニングを受けたとされるパイロット・スポーツ5Sは、ミシュランらしくグリップ限界のかなり手前からスキール音を立てて警告を発してくれるが、そこからスロットル・ペダルをさらに踏み込んでも、トラクションコントロールが作動して、タイヤを打ち負かすのに必要なパワーは得られない。

そこで登場するのが新型ヴァンテージに搭載されたアジャスタブル・トラクションコントロールである。
これは、BMW M3などに装備されるMトラクション・コントロールとよく似た機能で、ドライバーが手動でトラクションコントロールの利き方を調整できるというもの。新型ヴァンテージの場合、センターコンソール上に設けられた大型ダイヤルにより、もっとも利きが強いTC1からコントロールが完全に解除されるTC8まで8段階で設定できる。そこでTC1から順に試していくと、TC3で早くも豪快なドリフト走行が演じられるようになった。しかも、最後はトラクションコントロールが救ってくれるので、スピンの恐れは皆無。TC3のおかげで、私は新型ヴァンテージを完全に掌握したつもりになったのだが、話はこれだけでは終わらなかった。
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